トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)の2019年春夏コレクションが、2018年10月18日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。
毎シーズン、旅先や世界各国の民族衣装などからインスピレーションを得て、テーマを設定するトクコ・プルミエヴォル。今季デザイナーの前田徳子が選んだのは「ウルグアイ」だ。前田徳子が訪れたのは、まさに街中がお祭りムードで賑わうカーニバルの季節。陽気なムードと、ウルグアイに溢れる美しい自然を、クリエーションの上で表現した。
リズミカルな音楽と共に、ファーストルックから出迎えてくれたのは、“カーニバル”をイメージした楽し気なプリント。ダンスやお洒落を楽しむ人々を描いたユニークなテキスタイルは、カーニバルで使用される伝統衣装をはじめ、シルエットの異なるドレス郡にポップな彩りを与える。また、ふんわりと膨らむスリーブや、ドレスを彩るフリルには、時折ポップな水玉模様も登場していて、お祭りのハッピーな雰囲気を助長する。
ウルグアイの首都・モンテビテオで見かけたというストリートアートの世界も、ドレスのプリントとなって蘇る。黒のキャンバスに、赤やイエロー、オレンジなど鮮やかなカラーパレットで描かれたアートは、街で感じた空気感を鮮烈に表現しているかのようだ。
ゆるやかな音楽と共に、やがて舞台は都会から、自然溢れる森の中へと移動していく。テキスタイルを彩るのは、昆虫のモチーフや優雅な花模様。また、生地の上をうねるように駆け巡るブルーの幾何学模様のピースや、水色のシフォンが自由に揺らめくドレスからは、豊かな自然に命を与える清流を連想させる。
ショーの終盤に近づくと、再び陽気な音楽が会場に響き渡る。続々と登場するモデルたちが纏うのは、ウルグアイの伝統衣装“ガウチョ”を取り入れたドレスだ。花模様や、みずみずしいグリーンに彩られた楽し気な“ガウチョドレス”は、フィナーレに向けて会場の雰囲気を盛り上げていく。
そしてラストに現れたのは、眩しいほどのイエローを差し込んだガウチョスタイル。モデルはやがて、会場の天井から吊るされたウルグアイの国旗のモチーフ“太陽”の下へと移動する。太陽の色とドレスの色合いは驚くほど一致していて、それはまるでウルグアイの太陽が、ピースとなって現れたかのような神々しさを放っていた。