史上初の快挙となる直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸原作小説『蜜蜂と遠雷』が、松岡茉優主演で映画化。映画『蜜蜂と遠雷』として2019年10月4日(金)に全国公開する。
原作は、史上初の快挙となる直木賞(第156回)、本屋大賞(2017年)の"W受賞"となった恩田陸の「蜜蜂と遠雷」。国際ピアノコンクールを舞台に、亜夜、明石、マサル、塵(じん)という世界を目指す若き4人のピアニストたちの挑戦、才能、運命、そして成長を描いた物語だ。
元天才少女・亜夜(松岡茉優)
主人公はピアノの元天才少女・亜夜。彼女が演じるのは、かつて国内外のジュニアコンクールを制覇するも、13歳のときに母を亡くし、ピアニストになることから長らく逃げてきた。7年前の突然の失踪から再起を目指し、コンクールにチャレンジする。
亜夜を演じるのは松岡茉優。2017年公開の『勝手にふるえてろ』で日本映画プロフェッショナル大賞 主演女優賞受賞、是枝裕和の『万引き家族』にも出演していた。
高島明石(松坂桃李)
明石は、社会人で妻子を持ち。それでも夢を諦めきれず、最後のチャンスと決意してコンクールにエントリーする。演じるのは『孤狼の血』などの話題作に出演する松坂桃李。
マサル(森崎ウィン)
音楽エリートとして超名門音楽院に在籍し、優勝候補最有力の重圧に挑むマサル役に森崎ウィン。人気と実力を兼ね備えており、コンクールの優勝大本命と言われる。
風間塵(鈴鹿央士)
“ピアノの神”と呼ばれた今は亡き世界最高のピアニストの「推薦状」を持つ。コンテストに参加した経歴もない“異端児”の謎の少年。演じるのは、『メンズノンノ』モデルとして活動し、ドラマ「なつぞら」や映画『決算!忠臣蔵』にも出演する、新人俳優の鈴鹿央士。鈴鹿は『蜜蜂と遠雷』が銀幕デビュー作となる。
コンテスタントたちの課題曲として物語を彩るのは、オリジナル楽曲<春と修羅>。公開された特別映像には、4人のメインキャラクター達が、それぞれの想いを抱えながら、凛とした姿でピアノを演奏する姿が映し出されている。
高島満智子(臼田あさ美)
明石(松坂桃李)の妻として、夫のコンクール挑戦を献身的に支える女性。
ジェニファ・チャン(福島リラ)
福島リラは、マサル(森崎ウィン)と同じ音楽院に在籍。マサルにアドバイスを贈りながらも自身もコンクールに参加する。演じるのはトップモデルとして活躍したのに女優としても活動する福島リラ。『ウルヴァリン』などに出演。
小野寺昌幸(鹿賀丈史)
小野寺昌幸は、世界的指揮者。コンクールの最終選考でオーケストラの指揮を執り、亜夜らピアニストたちを叱咤。演じるのは鹿賀丈史。
仁科雅美(ブルゾンちえみ)
松坂桃 李が演じる高島明石の同級生で、明石の国際コンクールへの挑戦を密着しているジャーナリスト。
映画の原作となる小説『蜜蜂と遠雷』を書いた作家・恩田陸にインタビュー。自ら実際のピアノコンクールに出向き、取材した上で完成させたという『蜜蜂と遠雷』。臨場感あふれるコンクールの空気感を構築するにあたり、どのようなプロセスを踏んだのか、また、映像化された物語についてどのような感想を持ったのか、話を聞いた。
また、コンクールへの思いや自らの読書観についてのインタビューもあわせてチェックしてほしい。
完成した映画を見た感想を教えてください。
恩田:いや、もうよく撮っていただきました(笑)。私、絶対に没になると思っていたんですよ。
映画化は難しいと思っていた、ということでしょうか。
恩田:はい。もう全部が難しいと思っていました。だから、最初映画化のお話を頂いた時は「ああ、無理だからきっと没になるのだろうな……」と。でも、本気で映像化してくださったので驚きましたね。
『蜜蜂と遠雷』はピアノコンクールをテーマにした物語。実際のコンクールにも足を運んで取材されたそうですね。
恩田:浜松国際ピアノコンクールに取材に行きまして、モデルとしてもかなりに参考にしています。浜松で聞いて、キャラクターに“これを弾かせよう”と思った曲もありますし、それぞれのコンテスタント(※)が弾く曲の演奏プログラムを作るにあたってもとても参考にしました。
※コンテスタント……コンクールに参加している人のこと。