ニール バレット(Neil Barrett)2019-20年秋冬メンズコレクションが、2019年1月12日(土)イタリア・ミラノ市内で発表された。
ウィメンズと合同ショーとなった今季、ブランドは創立20周年を迎える。節目の年を記念して掲げたキーワードは、“パンク”。異なる文化がミックスすることで生まれたパンクのように、英国発祥のブランドのコレクションには、アジアの空気を孕んだユニークなワードローブや小物類が登場した。
特に目を惹いたのが、日本の繁華街のグラフィックを使用したテキスタイル。ラーメン屋やカラオケ、麻雀の看板。都会の街中で頻繁に目にする光景は、モデル達の纏うガウンやパンツ、トレンチコート…と次々に姿を変えていく。ブラックのPVCジャケットを組み合わせた総柄のセットアップは、闇に包まれながらも煌煌と輝くネオン街の様子をリアルに表現しているかのようだ。
また今季のメンズは、秋冬の主役となるアウター群を豊富に取り揃えているのがポイント。ジップを複数あしらったパンキッシュなレザージャケットをはじめ、スクールブレザーを彷彿させるジャケットや、トレンチコートなどが登場。またそれらのアウターは同フォルムでも、異なるカラーや生地を使用した、複数のデザインで展開されている。
中でも特筆したいのは、バリエーション豊富なデザインで揃えたロングジャケットである。フォーマルな雰囲気のストライプ柄のロングコートには、そのラペルにレザーを差し込んでハードなテイストをプラス。またチェック柄のクラシカルなピースの前身頃に、ゼブラ模様をアクセントに配した一着も存在する。
このアニマル模様のモチーフは、先のアウターのみならず、コレクション全体を彩る重要な要素ともいえよう。レオパードとゼブラを組み合わせたトップスには、さらにレオパード柄のボアジャケットを重ねて、アイキャッチなルックを完成。ブラックのスラックスやレザーシューズとスタイリングした、クラシカルなチェック柄のジャケットには、ボリューミーなレオパード柄のボアを襟元にあしらうことで、インパクトある一着に仕上げている。
コレクション全体を通して共通していることは、すっきりとしたシルエットのトラウザーズ。ブラックや、レッド、チェックとパンクを象徴するカラーに彩られたパンツの足もとには、光沢感のある上質なレザーブーツが合わせられた。