フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)は、2019-20年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを、フランス・パリで2019年1月15日(火)に発表した。
目を引いたのは、服と身体の境目、服と服の境目を曖昧にするようなフォルム。黒やグレー、ベージュといったベーシックな色彩に彩られたダッフルコートは、未来的なシェルターを思わせる、身体を丸ごと包み込むようなシルエットを描く。立体的なパターンメイキングと、ハリのある素材で、服と身体の間に空間を創出。ミニマルな美しさを見せる。
ワイドパンツは、布の分量をたっぷりと使った幾重にも折り重なるドレープが印象的。ボリュームがありながらも、流れるように美しいフォルムを描き、洗練された雰囲気を纏っているのは、端正なカッティングあってこそのものだろう。しなやかなデニムで形づくられたサルエルパンツも、品のある雰囲気を放っている。
身体のラインをあえて無視することで生まれる曲線のエレガンスは、前を閉めることで布地が引っ張られ、波打つようなギャザー、ドレープが刻まれるプルオーバーや、アシンメトリーのブルゾンに見て取れる。ウール地のショールジャケットは、ピンを留める位置によって表情を変える偶然的な造形。都度変わる襟元の開き具合や布地の流れは、身体を無視しているようで、逆説的に身体の存在を浮き彫りにする。
変わった形のストールかと思えば、服が無造作に首に巻き付けられたもので、顔をホールドするフードかと思えば、何かの袖をぐるりと被ったもの。ニットカーディガンのポケットから伸びるストールや、ブラウスの前後に平面的なジャケットを取り付けたような遊び心のあるデザインは、服と服の繋ぎ目を不明瞭にする。
キルティングのケープには袖を通す穴が施されており、下に重ねた同素材のジャケットの袖が見える。Aラインシルエットのケープは裾に向けて広がり、まるで羽織りのよう。一見ロングスカートのようにも見える縦長のシルエットのワイドパンツに組み合わせると、より一層日本的なシルエットを描き出す。
また、シューズはスイコック(SUICOKE)とのコラボレーション。ランニングシューズとデザートブーツをハイブリッドさせたようなデザインに仕立てられている。アクティブなソールが特徴的だ。