エトロ(ETRO)の2013年春夏コレクションのタイトルは“PLAYSLEY”。これはエトロのシグニチャープリントであるペイズリー(Paisley)とplayを組み合わせた造語。ペルシャからインドのカシミール地方にわたり現在の柄へと変化してきたとされるペイズリーのルーツを辿り、本質を取り戻そうという想いが込められている。
カラーパレットは、ブルーやレッド、バイオレットなどの鮮やかなカラーや明るいホワイト。後半には、太陽の柔らかな光を受けてゆらめく初秋の影のように、繊細に表情を変える豊かな色彩が展開された。さらにペイズリーとマドラスチェックを合わせたプリントなどが登場。こうした斬新なプリントが施されることで、華やかさをより強く印象づけている。
素材にはシルクを使用し、動きやすくゆったりしたスーツスタイルがメイン。ジャケットの下にロングシャツを組み合わせたルックは、インドの男性用腰巻きを彷彿とさせ、トライバルな雰囲気に満ちている。その他にもクルタシャツやサルエルパンツなど、インドの民族衣装をイメージしたアイテムが取り入れられた。
ターバンのシワを模したような加工を施したオペラシューズや、ナイロンやレザーのビッグシルエットバッグなど、アクセサリーも遊び心に溢れている。色彩、素材、インドの民族衣装の特徴。これらと組み合わせることでペイズリーの魅力に改めて気付かされた、エトロ渾身のコレクション。