オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE)は、2019-20年秋冬メンズコレクションを、2019年1月17日(木)に、フランス・パリのポンピドゥ・センターで発表した。
プレゼンテーション形式で発表された今季のコレクションのテーマは、「PLAYGROUND」。会場内には、ブルーのシートがトラックのように敷かれ、円周の中には、吊り輪やよじ登ることのできるロープ、綱渡りの器具など、アスレチックなセットが設置されている。これから何が始まるのか、期待感と高揚感に満ちた場内に鳴り響いたのは、振動しながら倍音とともに広がる鐘のような打楽器の音。パフォーマンスの始まりを象徴するかのようだった。
全力疾走で場内の端から端へと駆け抜けたり、おもむろにアウターを交換し始めたり、綱渡りを始めたり……。登場するモデル達の自由な動きによって、会場内は一瞬で「PLAYGROUND」と化した。レッド、ライトグリーン、オレンジ、ライトブルーといった鮮やかなカラーリングが施されたパンツは、プリーツと、ドレープ感が相まって動くたびに奔放で優雅な動きを見せる。平面から立体化する「OBI」バッグも登場した。
イッセイ ミヤケの象徴的な“一枚の布”を彷彿させるコートは、コンテンポラリーダンスのような舞とともに披露された。平面的な四角形の布地に対して放射状に施されたプリーツが、ダイナミックな表情を見せる。
また、吊り輪に身を任せると、反り返る身体に対してプリーツは垂直な落ち感を見せる。特に、ストライプのように黒と白を織り交ぜたコートを見ると、身体の動きと布地の対比が顕著だ。
カラフルなウェアを身に着けたモデル達は、あっという間に代わる代わる吊り輪に手をかけ、綱渡りをし、ロープに上り、場内を駆け抜ける。衣服は身体に連動し、いずれの動きもスムーズなのが印象的だ。躍動する身体とプリーツの開放的なムードは、“動く楽しさ”と“まとう楽しさ”の両方を見せるようだ。プレゼンテーション終盤には、モデル達が観客を「PLAYGROUND」の中に呼び、モデルも観客も一緒になってアスレチックを楽しんでいた。