ランバン(LANVIN)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。新クリエイティブ・ディレクターのブルーノ・シアレッリによる初めてのコレクションである。
テーマは神秘的な巡礼者を意味する「MYSTIC PILGRIMS」。様々な場所を訪ね歩き、巡りあったものを寄せ集めるように、コレクションピースの中には、時代・国境を超えたエッセンスを詰め込んだ。
まずはメゾンランバンへの敬意を込めて、ジャンヌ・ランバンを巡る旅をスタート。1924年に生まれたメゾンロゴ「La femme et l'enfant」は、パジャマパンツのようにラフなパンツやロングスカートにプリントした。また、ランバンのシグネチャーカラーである“クワトロチェント”ブルーをピックアップ。アボカドグリーン、バナナイエロー、トマトレッドなど食べ物にまつわるポップな色彩と交えて、プレイフルにまとめた。
また、ジャンヌ・ランバンの娘マルグリットからヒントを得て生まれたのは、マーガレットのパターン。花束を作るように小さな花たちを寄せ集めた可憐なモチーフは、ブラウスやスカートの上にのせた。ジャンヌ・ランバンのイニシャルからJLのロゴも誕生。総柄プリントになってロングパンツやトップスになったり、モチーフとしてボアアウターに配されていたりする。
ブルーノ・シアレッリの旅は、中世のヨーロッパへ渡る。聖人セント・ジョージがドラゴンを倒したワンシーンをプリントとして起こし、ワンピースやスカートを作り上げている。
さらに、70年代への日本へと旅は続き、当時生まれたカルト漫画から着想した女性のモチーフをドレスルックのプリントに起用。ジャン・ド・ブリュノフの絵本「象のババール」やキツネ、野ウサギ、マーメイドの刺繍やプリントと交わることでほっこり温かみのある空気を作り出している。
ブルーノ・シアレッリによる新生ランバンの誕生を物語るのが、デニムの起用。メインコレクションでは、これまで積極的に取り入れてこなかったカジュアルな素材をアウターからボトムスまで、様々なシルエットで提案することで、フレッシュな新しいランバン像が出来上がっている。