2012年9月22日、エミリオ プッチ(EMILIO PUCCI)が2013年春夏コレクションをミラノファッションウィークで発表した。 クリエイティブディレクターのピーター・デュンダスがインスパイアされたのは、1970年代。ファッションの世界では山本寛斎らが活躍し、ベトナム戦争が起こった激動の時代だ。
ショーは純白のドレスでスタート。純粋、洗練、セクシャリティといった女性の側面を表現する色だ。同じ白のクリスタルやビーズの刺繍できらめきを、シースルーの生地を重ねることで繊細ながらも凛としたエレガンスを生み出した。 デザインには、ミャンマーやベトナムなどインドシナ半島や中国、日本などアジアの影響と、ミリタリーの雰囲気を色濃く反映。
カラーは白の他、赤やカーキ、黒で展開された。1972年のプッチのアーカイブからセレクトされた"Elisse"プリントは日本の着物の小紋柄のよう。チャイナボタンや刺し子、着物のようなシルエットなども繰り返し登場した。 また、刺青からインスピレーションを得たというゴールドで刺繍されたドラゴンやトラのモチーフは迫力満点。ボンバージャケットや優雅なシルクのガウンを豪華に飾った。
エミリオ・プッチという伝統を受け継ぎながら、独自の感性による新しいメゾンの時代を切り開くデュンダス。単なるオリエンタルに留まることのない、アジアのパワーがみなぎるドラマティックなコレクションを見せてくれた。