パリファッションウィークで発表された、ジュリアン デイヴィッド(Julien David)の2013年春夏コレクション。タイトルは「Spoiled Child(甘やかされた子ども)」。子どもから大人へと成長する過程で、自分が属するグループに適応するため、あるいは他者と自己との違いを表現する方法のひとつとして"自分らしい洋服の着こなし方"があることに気付き始めた少女のスタイルを表現。会場には、大音量の音楽が響く、夜の学校の図書館が選ばれた。
タンクトップや、七分袖のジャケット、スウェット、シャツワンピース、クロップドパンツなどはストリートウェアに着想を得たアイテムがメイン。プリントにも恐竜やレポート用紙、カラーペンのインクのシミ、銀のスプーンなど、子どもをイメージさせるモチーフが散りばめられている。シースルーのエレガントな花柄のトップスや、ちょっと大きめのコートは、背伸びしてみた少女のスタイルだ。
プリーツや、異なる5種類の日本製ブロケード生地の組み合わせや、ピクセル図案化したオリジナルイラストの刺繍など、グラフィカルなデザインもスクールぽく、でも柄や色遣いにどこかフレンチシックな雰囲気がミックスされている。ランプシェードのようなユニークなスカートや、服やシューズに大胆に穴を空けたようなカッティングも楽しい。
伸びっぱなしの前髪がいたずらっ子のようなヘアメイクも、おそろいのルックで2人のモデルが仲良く登場する演出もキュート。思春期の"自分探しの旅"を愛らしさいっぱいに描いたコレクションだ。