ケンゾー(KENZO) 2020年春夏コレクションが、2019年6月23日(日)にフランス・パリで発表された。

ウンベルト・レオン×キャロル・リムの最後のクリエーション

独特なテンポのミュージックと合わせてロングランウェイに現れたのは、ケンゾーの最新コレクションに身を包みながら歩を進める“花魁道中”。デザイナーのウンベルト・レオンとキャロル・リムの最後のクリーエーションとなる今季のコレクションは、ブランドの創設者・高田賢三の故郷である日本に目が向けられたようだ。

そしてその視線のまま彼等が注目したのは、この島国を取り囲む広大な海で活躍する“海女”たちの姿。彼女たちが日本の海で見つけた宝物が、彼等の最後のクリエーションに投じられていく。

海から着想を得たワードローブ

新作のワードローブには、水しぶきにも負けない丈夫なゴム引きでできたアノラックパーカーや、船にのせた“網”を連想させる荒いニットなど、海を連想させるキーワードが詰め込まれている。軽やかな素材で仕立てたネイビーのセットアップは、“波打つ”ような光沢感が特徴。海女たちの被る手ぬぐいの代わりに、鮮やかなスカーフを使用しているモデル達もいる。

爽やかな色彩をつめこんで

カラーは、海辺に似合う爽やかなオレンジやパープル、ネイビー、イエローなど。袖口をニットで切り替えたオレンジやブルーのプルオーバーは、海底からみえる“光”を表現したかのような美しいグラデーションが特徴的。また海の強い日差しによって、日焼けしてしまった風合いに仕上げたダークグレーのコットンセーターも登場する。

ユニークな絵柄も登場

日本の海をモチーフにしたユニークな絵柄は、コレクションの楽し気なムードをより一層盛り上げていく。船に乗る女性の姿を描いた浮世絵モチーフのニットや、“海女”たちにオマージュを捧げたマーメイド柄のスーツ、海の産物ウニやウミユリのプリントをあしらったアロハシャツなどは、どれも一枚で着てもハッと目を惹くアイキャッチなデザインだ。

マリンスタイルをドッキング

ランウェイの中でひと際目をひいたのは、タンクトップ×ハーフパンツという爽やかなマリンスタイルを、1つにドッキングさせてしまった遊び心溢れるルック。トップスとボトムスは、リボンを結んで繋げる仕組みとなっていて、本来あるはずのない装飾があしらわれるだけで、フレッシュな印象をもたらしてくれる。

新作小物アイテムも

小物アクセサリーにも、海から得たアイディアを詰め込んで。モデル達が持つネットストラップのバッグは、海女たちが海底の産物を入れる為に使用するバムバッグをもとに考案したもの。またスキューバーサンダルにインスパイアされた平面型のスニーカーも新たにラインナップする。