ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2025年秋冬メンズコレクションが発表された。
メンズ クリエイティブ・ディレクターであるファレル・ウィリアムスと、長きにわたって親交を結んできた盟友であり、ケンゾー(KENZO)のアーティスティックディレクターを務めるNIGOのコラボレーションのもとに発表された、今季のルイ・ヴィトン。メゾンならではの気品と、ふたりの共通の基盤であるストリートファッションを交錯したスタイルを展開している。
ファレル・ウィリアムスとNIGOは2000年代、ビリオネア・ボーイズ・クラブ(BILLIONAIRE BOYS CLUB)とシューズブランド・アイスクリーム(ice cream)とをともに立ち上げている。今季のムードは、ふたりが出会い、活動をともにした2000年代初頭のストリートに強く影響されているという。
そうしたコレクションを特徴づけるのが、エレガンスとストリートの交錯。たとえば、フォーマルウェアを象徴するテーラリングは、ボリュームを持たせることでカジュアルな佇まいに。セットアップのパンツは、流麗なフレアシルエットで仕上げた。さらに、クロップド丈や、日本の着物を思わせるカシュクールスタイルで仕立てたり、レザーを採用したりするなど、テーラリングのストリート的なアレンジを見ることができる。
一方、ストリートスタイルを代表するウェアは、素材やディテールを通してラグジュアリーな雰囲気に。バーシティジャケットは、ルイ・ヴィトンならではの重厚なレザーで仕上げるほか、ボンバージャケットには、存在感あるイエローの花のモチーフをあしらった。
さて、NIGOとのコラボレーションを意識して、日本的な要素も数多く見られる。たとえば、家紋の一種「七宝紋」。幾つもの輪を交差させたようなこの文様は、あたかも限りなく続くように見えることから、古来、吉祥文様として用いられてきた。コレクションではたとえば、デニムジャケットやデニムパンツといったストリートウェアに、この七宝紋をステッチであしらっている。
さらに、メゾンを象徴するダミエ モチーフは、濃淡さまざまなデニムに刺し子のリズミカルなステッチを施すことでアレンジするほか、レザーやニットにも展開。テーラリングやシルクウールのアウターには、絣文様をジャカードで表現し、レザージャケットなどには、日本画にしばしば見られる、定型化された雲のモチーフを大胆な切り替えとして落とし込んだ。