パリファッションウィークで発表されたクロエ(Chloé)の2013年春夏コレクション。ブランドが60周年を迎えた今季、クリエイティブ・ディレクターのクレア・ワイト・ケラーは、創業者ギャビー・アギョンの「コレクションは、着たいものをつくるだけ」という言葉からイマジネーションを膨らませた。
白、ネイビー、ベージュピンク、イエロー、ライラックなど爽やかなカラーパレット。流れるようなシルエットのフェミニンなスタイルから、テーラードルック、カリフォルニアのサーフガールのようなショートパンツやハイビスカス柄のリラックスしたムードが、クロエ ウーマンのワードローブを構成している。
丸みのあるオーバーサイズのプロポーションに加え、レイヤードもポイント。短めのトップスからオーガンザのトップスをのぞかせるコーディネートや、セパレートに見えるトロンプルイユのドレスなど、遊び心にあふれたフレッシュなルックが並ぶ。
大きなラッフルのドレス、バードケージ(鳥かご)のレースなど、女心をくすぐる絶妙なフェミニティを持ったデザインもクレアの得意技だ。マニッシュなスタンドカラーのセットアップにほどこされた矢印のモチーフは、カール・ラガーフェルドがクリエイティブ・ディレクターを務めていた時代のクロエのアーカイブへのオマージュ。足元はメタリックカラーのシューズでフューチャリスティックにまとめられた。
長い年月を経てもなお輝き続けるメゾンのエスプリが、モダンなセンスで彩られたコレクションは、今季も女性をいきいきと演出してくれる。