展覧会「映画雑誌の秘かな愉しみ The Discreet Charm of Film Magazines」が、東京・京橋の国立映画アーカイブ展示室にて開催される。期間は2019年9月7日(土)から12月1日(日)まで。
映画が新しい視覚メディアとして普及し始めた明治末期以来、その発達と共に、広範な話題を提供する総合誌、スターや映画会社のファン雑誌、映画の言論空間となった評論誌、製作や興行の動向を伝える業界誌、そして特定の主題に焦点を絞った専門誌など、様々な映画雑誌が生み出されてきた。
インターネットが普及した今日でも、長い年月の中で培われてきた映画雑誌の役割やスタイルは、確実に生き続けていると言えるだろう。
展覧会「映画雑誌の秘かな愉しみ The Discreet Charm of Film Magazines」は、そんな日本の映画雑誌の歴史を約400点におよぶ貴重な資料で辿る。展覧会は5つのコーナーで構成。
「日本の映画雑誌の誕生」コーナーでは、今から110年前の1909年に創刊された現存する日本最初の映画雑誌『活動写真界』のうち、国立映画アーカイブが所蔵する4冊の展示を中心に、明治から大正にかけて創刊された映画雑誌を目にすることができる。
「『キネマ旬報』の100年」では、2019年に創刊100周年を迎える日本を代表する映画雑誌『キネマ旬報』の創刊号を展示。当時500部しか発行されなかった貴重な資料となっている。また、戦前戦後の中断をはさみながらも歴史を積み重ねてきた『キネマ旬報』の歴史を紐解く。
1930年代に戦前の最盛期を迎えた映画雑誌。人気スターの名を冠した〈スターファン雑誌〉や、映画会社を応援する〈スタジオ雑誌〉、大判の〈グラフ誌〉などが人々を魅了し、地方在住の映画ファンや大学の映画研究会は自ら雑誌を発行してその想いを発信したが、戦時体制が強化されると映画雑誌の数は大幅に減ることになる。「戦前の映画雑誌」コーナーでは、戦前・戦中の波乱に満ちた時代の映画雑誌を展示する。
「戦後の映画雑誌」では、戦後の解放的な空気の中で次々と創刊された映画雑誌にフォーカス。日本の映画産業とともに着実に復興し、映画雑誌は戦後の黄金時代を迎えた。その一方で、言論活動の舞台ともなり、多彩な論争が繰り広げられるようになる。様々な変遷を経ながら常に映画ファンとともにあり、その関心を掘り起こすために変わり続ける映画雑誌の近年の展開にも注目していく。
「映画雑誌と映画史研究」では、切っても切り離せない映画史研究と映画雑誌の関係に迫る。映画作品や製作関係の直接的な資料を別とすれば、時代時代の映画とその環境を知るための第一級のドキュメントであり続けている映画雑誌。このコーナーでは、映画史研究の成果を雑誌の形で発表した人たちの活動や、映画雑誌自体の全体像を捉えようとした先人たちの取り組みを紹介する。
【詳細】
展覧会「映画雑誌の秘かな愉しみ The Discreet Charm of Film Magazines」
会期:2019年9月7日(土)~12月1日(日)
休室日:月曜日、9月23日(月・祝)~30日(月)
開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)
※毎月末金曜日は11:00~20:00(入室は19:30まで)
会場:国立映画アーカイブ展示室(7階)
住所:東京都中央区京橋3-7-6
料金:一般250円(200円)/大学生130円(60円)/シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む。
※( )内は20名以上の団体料金。
※学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方はそれぞれ入室の際、証明できるものを提示。
※国立映画アーカイブの上映観覧券(観覧後の半券可)を提示すると1回に限り団体料金が適用。
※2019年11月3日(日・祝)「文化の日」は展示を無料で観覧可能。
【問い合わせ先】
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)