ミュウミュウ(MIU MIU)の2020年春夏コレクションが、2019年10月1日(火)に、フランス・パリで発表された。
今シーズンのミュウミュウが行ったのは、着る人が洋服との対話を楽しめる服作り。アイテムのシルエット自体はシンプルだが、そこに意外性のあるディテールを施すことで、洋服に袖を通す人が自由なスピリットで無邪気にファッションを楽しめるようなコレクションに仕上げている。
ベースとなっているのはエプロンなどのユニフォーム。フォルムはベーシックなエプロンの形状を保っているが、スカート部分に複雑に手繰り寄せたギャザーのパーツや躍動感のあるラッフルをデコレーションした。このエプロンドレスに合わせてスタイリングしたニットカーディガンは、あえて布を解れさせた不完全な状態で、遊び心を演出している。
ルックに動きをもたらすギャザーやフリルのディテールは、今シーズン多用されたものの1つで、時にはショルダー部分に、時にはウエストから裾にかけて流れるようにあしらわれた。どれ一つとして予定調和的な装飾は無く、即興的に縫い付けられているかのような雰囲気を持つのが特徴だ。
ベーシックなものと予想外の要素の思いがけない組み合わせは、シルエットだけでなく素材にも見て取れる。ジャケットやドレスはコットン、キャンバス、ウールといったデイリーウェアの定番素材で仕立てられているが、そこにあしらう装飾でプレイフルな印象へと導いた。きらきらと輝くフラワーモチーフのビジューや、存在感溢れるカラフルなボタンが、楽し気なムードをもたらしている。