タチアナ・パルフェノワ(TATYANA PARFIONOVA)の2020年春夏コレクションが、)Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S初日に発表された。
洋服の制作はもちろん、世界三大美術館の1つであるエルミタージュのプロジェクトへの参加や、映画の衣装制作など幅広い分野での活動を続けるタチアナ・パルフェノワ。初めてコレクション発表の場に東京を選んだ今回、デザイナーの子供の頃の思い出をインスピレーション源に、“水”や“川”、“黒トンボ”をキーワードに掲げた37パターンのドレスが展開された。
始まりの合図と共にランウェイに現れたのは、まるで“絵画”のような美しいドレス。テキスタイルには、太陽の光を反射する水面を表現しているかのように、透き通るシースルーや、キラキラと輝くスパンコール、流れるようなシルク生地を自由にミックス。その上には水に浮かぶスゲやシダを手刺繍であしらって、うっとりとするような絵柄を完成させている。
淡い水色が目を惹く膝丈のドレスは、白鳥の羽根のようになびく毛足の長いスリーブが印象的。前身頃には、透き通る川の周りを黒トンボ達が飛び回る、どこか懐かしい情景がデザインされている。
また複数の水の輪が水面に浮かぶドレスは、雨の日の風景を切り取っているのかのよう。デザイナーの大切な思い出の一部を映し出しているかのような“絵画”によって、会場全体にノスタルジックな雰囲気が漂う。
リボンやフリルをたっぷりとあしらった、デコラティブな手法を得意とするブランドならではのドレスも登場。けれど時にセクシーさも演出したいから、バックやウエストをみせる大胆なカッティングや、モデルの身体のラインをくっきりと映し出すシア素材で、女性の魅力を引き出していく。
カラーパレットは、淡い色調のグリーンやブルー、ピンク、ベージュ、オレンジなどを中心に。時に多彩な色彩を組み合わせたカラフルなカラーブロックや、艶やかな花が咲き誇るオリエンタルな絵柄、前後でカラー&素材が異なるデザインなど、デザイナーの遊び心を感じさせる個性豊かなカラードレスも登場した。