レインメーカー(RAINMAKER)2020年春夏コレクションが、Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S3日目となる2019年10月16日(水)に発表された。
歴史と文化にあふれる京都で生まれたレインメーカーのショーは“香りのおもてなし”からスタート。京都で香づくりを続ける、創業300年の老舗松栄堂の香を用意し、気品をそなえた香りとともに来場者を迎えてくれた。
控えめで奥ゆかしいその姿勢は、服作りにもリンクしている。シーズンテーマを設けずコレクションを展開しているレインメーカーは、デビューショーから変わらず、和の香りを纏った服作りを続けている。洋の世界に、和服を想起させるエッセンスを加えて仕上げたのは、品格のあるモダン服だ。
紳士のワードローブ・パンツスーツやジャケットスタイルには、着物や羽織りのエッセンスを投下。ジャケットを羽織りのようにふわりと広がったフォルムに整えたり、帯のようにベルトを上から巻いたりしている。インナーには半衿のような合わせスタイルのシャツを仕込み和の雰囲気をプラスする。
また、春夏らしい軽やかなテキスタイル選びも印象的だ。纏うだけで温かな季節の到来を感じさせる麻や、風にたなびくほど薄手のナイロンでシャツのように羽織れるジャケットやロングコートなどを仕立てている。
「シンプルに着ると小奇麗になるので、スタイリングで個性を出した」という今季。パンツスーツの中にスタジャンを合わせたり、開襟シャツを仕込んで襟を出したり、シャツとシャツをレイヤードしたり、ハイネック&カーディガンをタックインしたり…たしかにユニークなアイデアが満載だった。
落ち着きのあるスモーキーカラーを基調としながらも、間に柄を差し込むことでムードに変化を付けた。小花柄のジャカード地や、深みのあるパープルの絞り染めなどは、日本のメーカーや京都の伝統工芸士と仕上げたこだわりのテキスタイルだ。
また、今季は老舗竹工芸品メーカーの公長斎小菅ともコラボレーション。竹を繊細に編み込み小物を作った。仕上げには漆をのせて。工程は、日本の古き良き文化に根差しながらも、出来上がった小物はキャッシュレス対応のウォレットで現代に即している。