ヴァレンティノ(VALENTINO)の2020-21年秋冬コレクションが、フランス・パリで2020年1月15日(水)に発表された。
ロマンティシズムをキーワードとした今季、コレクションの軸となるのは、テーラードジャケット、テーラードコートといった紳士服の王道ピース。スポーティに寄せていた数シーズンとは異なり、落ち着きのある印象だ。
袖を通すだけで知的に魅せてくれるトラディショナルウェアは、革新的なディテールを忍ばせることで、新しい側面をもったピースへと昇格させる。
特徴的なのは、ドレスのように流れるようなシルエットだ。ジャケットやコートは、すっとキレイな落ち感で程よいサイズ感に整えているが、サイドに大胆にスリットを入れることで、風にたなびき軽やか。バックスタイルの生地が波のように舞い動き、ドレスのようなエレガンスを届けている。
テーラードコートには、中のスーツへと繋ぐ長いベルトをあしらった。スーツと繋げることでよりすっきりとした着こなしを可能にする。
スーツやコートの上には、オランダのファッション写真家のデュオInez and Vinoodhによるフラワーモチーフをのせている。表現方法はさまざまで、ジャカード、刺繍、シャツにはカラフルなプリントも用意した。ホワイト、アイボリー、ブラックを基調にした序盤のモノトーンの世界では静かに咲いていた花々も、バーガンディ、ブルーといった鮮やかな色彩と出会うことで、より生き生きと花を咲かせている。
また、意外性があったのはビーズのエンブロイダリーだ。ドレスやスカートなどに起用されるような立体的なビーズ刺繍をメンズのフォーマルなシャツに起用し、胸元やウエストラインを横断する様に大胆にあしらった。描いた文字は、NEED NEED、WANT WANTなどメッセージ性の高いワードで、言葉のアーティストメラリー・マトランダとのコラボレーションによるもの。
シューズは、厚底のレザーシューズまたはサイドゴアブーツでシックにまとめた。同時にオニツカタイガー(Onitsuka Tiger)ともコラボレーションしたスニーカーも提案。MEXICO 66 SD スニーカーの限定モデルは、ヴァレンティノのVロゴがサイドにあしらわれたデザインで全4色での展開だ。