コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)の2020-21年秋冬コレクションが、フランス・パリで2020年1月17日(金)に発表された。今シーズンは、複数人のモデルがランウェイに登場し、円を描くように周る。カラフルな色柄がくるくると流れる様は万華鏡のようにきれいで、美しい色の世界へと誘ってくれるようだ。
コレクションを通して展開されるのは、テーラードジャケットまたはコートと、レギンスのようなタイトフィットなボトムス。間に、クルーネックニットやショートパンツ、スカート風のアイテムを挟みながらも、ほぼ主役は上記の3ピースだ。
ショーの序盤はパッチワークの連続。レオパード、チェック柄、ダイヤ模様、ストライプパターン、さらにCOMME des GARÇONSのロゴなどが“ジャケット”という一つの枠の中で無秩序に入り乱れている。肩、アーム、サイド…とパーツごとに異なる色彩を当て、前身頃はさらに異なる色柄を合わせて、まるでベストを着ているかのようなだまし絵風のデザインに仕上げている。
続くのは、通常は“日の目を見ない”裏地にフォーカスを当てたパートだ。本来は、フォーマルなブラックテーラードであるはずのアイテムから、スターやダイヤをモチーフにした鮮やかなテキスタイルが顔を出している。胸元には、本来内側にあるはずのポケットやブランドロゴのタグが露わに。
その後は、カットという新しい手法が対象となる。サイズ違いのテーラードジャケットを3枚重ねて、肘の部分に切り込みを入れ、下に重ねたジャケットを切り口からみせる。異なるカラーが3段に重なった姿は、虹のようにロマンティックでもあり、筋肉のような生々しさもある。
また、表からみると複雑な重ね着をしているようなチェック柄のジャケットも、バックスタイルをみると、アーチ型に切り抜かれており、3枚のテキスタイルを重ねた1つのピースであることを主張している。
ジャケットと同じく繰り返し登場したタイトフィットなボトムスも、パッチワークで仕上げたもの。大きさ、色の異なるチェック柄やマルチカラーのボーダー模様を複数種、細いキャンバスの中に複雑に融合させている。