ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)の2020-21年秋冬コレクションが、2020年2月19日(水)、イタリア・ミラノで発表された。ヌメロ ヴェントゥーノは今季、ブランド設立から10周年のアニバーサリーイヤーを迎える。
今シーズンも、ベースにあるのはブランドが得意とするエレガントかつセンシュアルなスタイル。そこにハードな魅力をプラスしているのが、今季のシグネチャーともいえるメタリックなモチーフだ。胸元を大胆に開けたオールインワンにはシルバーのチェーンモチーフをあしらって。片方だけオフショルダーにしたストラップワンピースには、いくつもの安全ピンをデコラティブに配している。
今季のシグネチャーの1つと言えるこれらのメタリックなモチーフは、本来ならばパンクをはじめとするアヴァンギャルドなスタイルに多用されるもの。しかしながら、デザイナーであるアレッサンドロ・デラクアの手にかかれば、不思議とエレガントに昇華され、ハードな装飾が持つ力強さはそのままにリュクスなムードを放つ。
メタルパーツを取り入れたのは、セクシーなピースだけではない。安全ピンはソフトなニットに無数に散りばめたり、チェーンは歩くたびにふわふわと揺れ動くフェザーとドッキングしてベージュのセットアップにスタイリングしたり...と、ハードなニュアンスと柔らかなムードのコントラストを楽しんでいるかのよう。女性が持つセンシュアルな魅力と柔らかなムードを、力強く硬質的なモチーフが引き立てているかのように感じられた。
カラーは、漆黒からはじまり、真っ赤なドレスが現れると、ベージュ、ブラウン、グレーなどのニュートラルカラーへ移り変わる。かと思えばペールブルーやグリーンなどが現れて彩りを増していく。アクセントとなるのは、チェーンや安全ピンが放つメタリックな輝き。ショー終盤に登場したきらきらと煌めくシークインで埋め尽くしたドレスやセットアップも、クライマックスに向けて華やかなムードを加速させた。