アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(土)に発表された。
クリエイティブ・ディレクターのアンドレアスにとって、9作目のコレクションとなる今季。9の数字が持つ“普遍的な愛”や、“人類への奉仕”という意味を見つめなおした彼は、改めてコレクション制作こそが自分の人生にとってかけがえのないものであると実感したという。
愛するクリエーションによって誕生するのは、きっと誰かの人生を後押しをできるとっておきの服。今季は、音楽史におけるストラヴィンスキーの最高傑作「春の祭典(Rite of Spring)」を着想源に、寒く暗い冬から温かな地上へと導いてくれるようなパワフルなワードローブを作り上げていく。
これまでもジェンダーへのアプローチを行ってきたブランドだが、今季はそんな“パワフルさ”の象徴として、マニッシュな要素を強く取り入れているように感じられた。がっちりとしたショルダーラインを主流に、スタイリングには本来紳士服を起源に持つアイテムを組み合わせ。ゆったりとしたパンツ×オーバーサイズのトレンチコートや、豊かなドレープを描くビッグサイズのスーツスタイルといった力強いワードローブがランウェイへと姿を現した。
また優雅なドレススタイルも、こうした男性的な要素とドキング。裾元のプリーツが美しいパープルのドレスには、ウエストマークするようにして、メンズライクなネルシャツをオン。アウターには、ショート丈にカッティングされたトレンチコートを合わせて、ジェンダーの垣根を超えるギリギリのラインで、エレガンスなスタイルへと導いている。
さらにホワイトのオーガンザで仕立てられたセクシーなワンショルダードレスには、刃先が"ペン”へと姿を変えたアクセサリーを組み合わせた。“ペンは剣よりも強し”ということわざ通り、彼女たちの知性によってくり広げられる、新たな世界の幕開けを期待させてくれるルックだ。
一方メンズにも、フェミニンムードに近づけるスタイリングが。スーツスタイルには、艶めく布でしっとりと仕上げたトレンチコートを、スリット付きのドレスのような佇まいで着こなし。フリル付きの裾が目を惹くブルーのジャケットは、煌く装飾付きのカラータイツと共に提案された。
なおコレクションには、アーティストたちとのコラボレーションによる新作シューズも登場。バイカーブーツや、スワロフスキーで覆われたストラップサンダルをはじめ、シューレースの代わりに無数のリボンを結んだスニーカーがモデルの足を飾った。