マーク ジェイコブスの2013-14年秋冬メンズコレクション。今回のコレクションでは、1950年代にイギリスのサブカルチャーとして広まった「テッズ(テディ・ボーイ」、そしてバンド「ニューヨーク・ドールズ」のギタリストであるジョニー・サンダースに代表される、1970年代アメリカのロックンロールやロカビリーの要素がミックスされた。
コレクションは、テッズに見られるようなロングジャケット、細身のパンツをはじめとしたテーラードスタイルを中心に構成。そこへプラスされた大胆なグラフィックや色使いは、ジョニー・サンダースを彷彿とさせる。キャメルヘア、カシミアアルパカといった素材使いや、ファーのトリミングで、高級感もたっぷりだ。
また、今季もブルックリンを拠点とするアーティストであるBASTとコラボレート。「ゴーグルズ」「ウーフィー」「クランブリング ベアトリーチェ」「バンダナ マン」と名付けられたプリントは、ストリートアートシーンで活躍する彼らならではの切り口が特徴的。コレクション全体に奥行きをもたらしている。
大小さまざまなハウンドトゥースや、大きなピンのついたキャップなど、遊び心も健在。スタイリングを一気にロマンティックなムードへと押し上げてくれるリボンタイは、ぜひとも取り入れたいアイテムだ。
今回インスピレーションを受けているのは、いわばアンダーグラウンドな文化。不満や反骨といった精神を背景に持つそれらの文化を、ラグジュアリーでエレガンス漂うスタイルへとアップデートした、マーク ジェイコブスならではのコレクションとなった。