2013年2月21日(水)にミラノファッションウィークでGUCCI(グッチ)の2013-14年秋冬コレクションが発表された。クリエイティブディレクターのフリーダジャニーニは、今季コレクションの女性像について「危険なフェミニティで誘惑するグッチ・ウーマン。ファム・ファタールのような妖しい退廃的な魅力と鋼鉄の美しさをイメージしています」と語っている。
鋼のようなパワーを迫り出したショルダーラインやパテント加工されたパイソンで表現された。蜘蛛の巣のようなレースやメタリックなテキスタイルなどがダークネスを感じさせる一方、弧を描くように肩甲骨やバストラインを包み込む斬新なカッティングと、ボディコンシャスなシルエットで官能性を引き出した。終盤にはまるで黒鳥や堕天使を思わせるようなフェザーとビジューをたっぷりあしらったイブニングが登場。背筋が凍るほどの美貌を持ったグッチ・ウーマンたちがランウェイに降臨した。
カラーはワインパープル、錆びたカラー、モスグリーン、セルリアンブルー、退色したニュアンスのブラックが使われた。アストラカン(巻き毛のラム)を贅沢に使ったスカートスーツの上から羽織られた、ブラックからグリーンのグラデーションにカラーリングされたゴートヘアーのケープなど、ラグジュアリーな素材づかいに注目だ。ポニースキンなどのファーの質感とサテンシルクの艶のコンビネーションがゴージャス。
亀裂、スムース、パテントと様々なテクスチャーで表現されたレザーは、メタルのような無機質な印象さえ与える。ゆったりしたシルエットのショート丈のコートにペンシルスカートのバランスの対比も特徴的。ショルダーラインにつながるように大きく開いた襟、ビスチェのようにシェイプされたウエストに対し、緩やかな卵型のショルダーやオーバーサイズドのシルエットを組み合わせることで、ファム・ファタールの世界を描いた。