KENZO(ケンゾー)が発表した2013-14年秋冬コレクション。インド・ネパールといった古代アジアの神殿がインスピレーション源だ。
ヒンドゥー教のシヴァ神の額の第3の目は、「EYE」モチーフとして、コレクション全体を通してつぶさに用いられた。またサリーによく見られるようなインド・ジャカードの素材使いも、南アジアの巡礼の旅を思わせる。ゴールドやラメ織などで煌びやかな古代アジアの神殿のイメージを表現した。
2013年春夏にジャン・ポール・グード(Jean-Paul Goude)が手がけた「Xキャンペーン」は、ショルダーからすそにかけて「X」を描くミニドレスに連動。またKENZO創始者である高田賢三の「JUNGLE JAP」のDNAも随所に散りばめられている。大量のマルチカラーのグログラリボン使いは高田賢三のドレスを彷彿とさせるが、よく見るとEYEモチーフがぎっしり。ジャカードに見られる蓮の花のモチーフもブランドのアイコンのひとつだ。
このようにエスニックなインスピレーションやアーカイブの要素を、スポーティなディテールや構築的なフォルムで、コンテンポラリーに落とし込んでいるのが本コレクションの特徴だ。ファスナーが付いたラグランスリーブの、月をイメージしたボンバー・ジャケットや、蛇のようなセルパンをモチーフにしたラインのジャケットによりショルダーラインを強調し、力強い印象にまとめている。
またジュエリーは前シーズンと同様、デルフィナ・デレトレズ(Delfina Delettrez)とのコラボレーションにより展開。エキゾチックでミステリアスなKENZOワールドの更なるスパイスに。
過去から今を経て未来へ繋がるKENZOの旅とその行方は、観る者をエキサイティングな世界へと誘い続ける。