パトゥ( Patou) 2020-21年秋冬コレクションが発表された。
1987年以来、長い長い眠りについていたフランスのメゾン「ジャン パトゥ」。そんなメゾンが再び新たな物語に向けて舵を切ったのは、2020年春夏コレクションのこと。ニナ リッチ(NINA RICCI)やカルヴェン(CARVEN)で経験を積んだギョーム・アンリをアーティスティック・ディレクターに迎え、ブランド名も新たに生まれ変わった「パトゥ」に、世界中のファッショニスタから多くの視線が注がれた。
ギョームの描くパトゥは、おしゃれなフレンチガールが纏う、クラシカルなワードローブが根底にある。前シーズン同様、今季もそのエッセンスを引き継ぎ、ボウタイ付きのブラウスや、マリンニット、デニムパンツ、ベレー帽といった“パリっ子”アイテムがコレクションを席巻。永遠に色褪せることないフレンチルックに、再びオマージュを捧げた愛に溢れるコレクションに仕上がっている。
リラックス&ドレスアップを絶妙なバランスで織り交ぜた、ギョームならではのスタイリングも今季も健在だった。カジュアルなデニムパンツと合わせたのは、大きく膨らんだ風船ほどある、バルーンスリーブのカットソー。またクチュール的表現は特にディテールに顕著で、主役級に拡大させたレーシーな襟付きのブラウスやミニ丈のワンピースなどが、コレクションに華やかさを投じている。
イブニングスタイルに纏いたい、ドレスルックも豊富に登場。胸元のリボンをデフォルメしたようなロングドレスは、奥深いブルーで仕上げることで、甘さを抑えた大人のルックに。
また軽やかに揺れる黒のケープは、モデルが腕を組んでいるように見える、トロンプルイユのデザインで登場。遊び心溢れる表情に仕上げながらも、ゴージャスな金のアクセサリーと、ブラック単色で纏めたスタイリングによって、エレガントなムードへと昇華している。