パリファッションウィークで開催されたリックオウエンス(Rick Owens)の2013年秋冬コレクションショー。建物の土台を意味することば、「PLINCH」がキーワードの今季は、ルイス・カーンなどの建築家の、モダンかつタイムレスなデザインにインスパイアされている。
勢いよくふき出した白い煙とともに、思い切りボリューミーなヘアスタイルのモデルたちが登場。テーラリングにこだわったモノトーンのスタイルは、そびえたつ大きな建物のような荘厳さが漂う。着物のような大きな袖が印象的なコートは、ロング丈でさらに堂々とした姿に。コートの上に合わせたケープのような襟は、肩から広がる立体的なフォルムが存在感をはなつ。
重厚なムードの中に、素材の質感で程よく柔らかなイメージをとり入れているのもポイント。アシンメトリーな首元のファーや、アウターの裾からのぞかせる薄手のインナーで優しい雰囲気をプラスした。シンプルに着こなしたオフホワイトのダッフルコートも、冬らしい温かみのあるアイテム。
後半は羽毛布団をもちいた、太い紐のステッチや編目のジャケットが中心となり、よりいっそう和のテイストを強める。ラストは足元まで届くストールを巻いたドレススタイルで締めくくり、凛とした余韻を残した。