アトウ(ato)の2020-21年秋冬コレクションを紹介。

“レイヤード”がキーワード

“永続性のある服”を目指し、クリエーションを続けるアトウは、10年先でも世の中の定番として残る服を提案してきた。流行に乗った一過性のものではなく、むしろ年を経ることで価値が付加されるような服を目指していく中で、今季のキーワードとなったのは“レイヤード”。多様なアイテムとの組み合わせや自由な重ね着を楽しめるようゆったりと仕立てたアイテムや、ベーシックな雰囲気ながらディテールに遊びを効かせたアイテムが揃う。

多彩な着方ができるアウター

中でも、着方や重ね方によって様々な着こなしを楽しめるアウターに注目。ポイントはダイナミックなパターンメイキングと、ベーシックでミニマルな佇まいの絶妙なバランス感だ。合わせにウインドシールドを挟んだフード付きコートは、前を締めて着るとウインドシールドがアシンメトリーなデザインを強調する一方、前を開けて着ると布地の重なりが優雅な印象に。また、鋭角な襟の開きが印象的なマキシ丈のチェスターコートやノーカラーコートは、中に着るインナーによって異なる表情を楽しめる。

カーブした立体的な襟を配したネイビーのロングコートや、オーバーサイズのベージュウールコートなどは、生地の分量感をたっぷりと使う一方で、縦のラインを意識した流れるようなシルエットが優雅さを演出。立体感のあるパターンメイキングを採用することで、緩やかな抜け感を作りつつ、端正なシルエットを描き出している。

光沢感のあるミリタリーベストは、アームを広く仕上げることでジャケットの上からも重ねられる仕様に仕立てた1着。上品なセットアップの上に重ねると、エッジの効いたアクセントとなり、リラクシングなカットソーの上に重ねると凛とした表情を見せる。

ディテールに遊びを

アトウならではの端正なテーラリングに遊び心を効かせたピースも登場。一見ノーカラージャケットに見えるネイビーやベージュのジャケットは、よく見ると上衿を挟み込んだようなユニークなディテールになっている。また、グレーやベージュのベストは内側にレッドやイエローの生地を重ねることで、中にもう1枚重ねているかのようなデザインに仕上げた。

アシンメトリーなデザインのドルマンスリーブシャツや、裾に向かってテーパードさせたタックワイドパンツ、斜めに折り畳むようにタックを施したパンツなどもまた、細部にひねりを効かせたアイテムだ。

鮮やかなブルーを差し色に

差し色のブルーが、ブラックやカーキ、ベージュといったベーシックなカラーに鮮やかなエッセンスを加える。オーバーサイズのフーディーは、ブラックとブルーの生地を大胆に切り替え、アイキャッチな佇まいに。その他、アシンメトリーなカラーブロックのカットソーや、異なるトーンのブルーを切り替えたハイネックトップス、艶やかな光沢感のブラウスなどが揃う。