バーバリー(BURBERRY)は、2021年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
チーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるリカルド・ティッシによって「イン・ブルーム」と名付けられた今季のコレクション。インスピレーション源となったのは、トレンチコートが夏のビーチで砂と水にまみれるかのような、イギリスのサマータイムだ。海とともに暮らす人々に思いを馳せ、人魚とサメのラブストーリーを思い描いていくうちに、水を通して命を保ち、花開いていく自然の循環にたどり着いた。
絶えず再生され生き続けていく自然の循環に復活や若さのイメージを見出し、全てのものが関わり合いながら1つの物語を織り成していく様子にフォーカスしている。尚、今季のプレゼンテーションにおいてバーバリーはビジュアルアーティストのアンネ・イムホフとコラボレーション。パフォーマーの身体表現によるパフォーミングアーツが披露された。
象徴的なのは、水を連想させるモチーフやブルーを用いたアイテム。人魚のグラフィックをダイナミックに描いたスリーブレスのトレンチコートやブラウスなど、躍動感にあふれたデザインが散見された。
構築的なループバックラペルを施したトレンチコートは、うねるようなフォルムがアイキャッチ。光を反射する水中のような模様とチェック地を組み合わせることで色彩のコントラストを見せ、ユニークな造形を際立たせている。
アイコニックなトレンチコートは、この他にも大胆なアレンジを加えられることで斬新な佇まいに。レザージャケットとデニムジャケットのディテールを大胆にドッキングさせたトレンチコートは、いずれも絶妙なバランス感によって構築されている。さらに、艶やかなラバー加工を施したコットンで仕立てたトレンチコートにも、デニムジャケットやカーディガンなどを繋ぎ合わせたハイブリッドなデザインが採用された。
また、動きのあるユニークなパターンメイキングは、有機的なイメージをもたらしている。魚の鱗をイメージした抽象柄のタイトなワンピースは、フロントに向けてギャザーを寄せることでランダムな折り目が刻まれ、躍動感をプラス。骨組みが透けて見えるレースのミニドレスや、胸から下の部分を大胆に開けたニット、穴を開けるようにして円形のカットを施し、ファスナーで変形可能な仕掛けを配したパンツは、身体性を浮き彫りにする。
コレクション終盤には、クリスタルをびっしりと配したパンツやシャツ、イブニングドレスが登場。ドレープを効かせたデザインのミニドレスには、反復的に配されたクリスタルの光が揺らめき、身体の動きとともに輝きを連ねていく。クリスタルの輝きの連鎖は、まるで、繰り返し再生され、繋がり合う自然の循環を象徴しているかのようだ。