マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)の2021年春夏ウィメンズコレクションが発表された。
春夏らしく豊かな色彩を軸としつつも、憂愁の翳りに沈むかのように落ち着きを漂わせる、今季のマーガレット・ハウエル。たとえばベーシックながらも上品な仕立てのシャツにはすくんだ水色をのせる一方で、パンツにはグレーがかかったようなブルーを合わせるというように、繊細な色彩の階調を活かしたトーン・オン・トーンが提案されている。
力強いパプリカやタンカラーのプリーツワンピースやシャツには、ドット柄を緩くちりばめるようにのせて。半袖のシャツは、袖をやや太めに取って、丈感のバランスにも遊びを効かせた。
リネンやコットンなどの素材の質感の違いで、色合いの見え方がまったく異なるように、上品な色彩のニュアンスを引き立てる無地が基調となっている。その一方、レッドやブラウンで組み立てたアーガイル柄のベストでは、鮮やかなカラーコントラストとともに英国トラッドの気分を表現した。
裾にかけてすっと伸びるように広がるスカートには、プリーツに隠れるようにさりげなくポケットを配して。上品さを漂わせながらも、日常の中で「使いやすい」と感じられる機能性を、さりげなく忍ばせている。