プラダ(PRADA) 2021年春夏ウィメンズコレクションが、イタリア現地時間2020年9月24日(木)に発表された。今シーズンは、ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズが共同クリエティブディレクターとして手掛けるデビューコレクションとなる。
これまでディオール(DIOR)やカルバン・クライン(Calvin Klein)を手掛けてきたことで知られるラフ・シモンズ。彼がプラダに加わることが発表された2020年2月から、ファッション界ではそのデビューコレクションにひと際熱い視線が注がれていた。
ラフとミウッチャという、ふたりの才能あふれるクリエイティブディレクターをもとに始まる、新しい“プラダの物語”。それは、両者の異なる視点から“プラダらしさ”を見つめなおすこと。そしてふたりの個性を融合しながら、「人類とテクノロジーの関係性」に迫るコレクションに仕上げている。
コレクションに溢れるのは、際立つデコレーションが見当たらない、クリーンな色使い。ホワイトやブラックといったシンプルなカラーを基調に、淡いピンクやイエローやオレンジ、ブルーといった春夏らしいパレットを交えた、洗練されたムードが漂っている。そしてそんなミニマルなカラーの中だからこそ、存在感を放っているのは、アイコニックなプラダのロゴ。トップスやドレスの首元のアクセントとして、やや大胆にあしらわれているのが印象的だ。
“テクニック”を駆使したという今シーズンは、様々な素材を使用していることも大きな特徴のひとつといえるだろう。中でもブランドの核となるナイロン素材は、環境に配慮した再生ナイロンを多く採用。コレクションの中では、オーバーコートやシェルトップ、ストレッチパンツといったアイテムへと蘇らせた。
ショーの中盤から登場したのは、ランダムに生地が繰り抜かれた“穴あき”トップス。同じようなカッティングを施したニットを重ねてみたり、ロング丈のモダンなコートと合わせてみたり。それぞれのモデル達は、自分たちの個性を引き立てるかのように、様々なスタイリングをランウェイの上で披露している。
中には、そんなトップスの上に、大きなガーメントをぐるりと巻き付けたようなルックも登場した。胸元で、余った“生地”をしっかりと握るモデルのジェスチャーも印象的で、その手を離した途端、洋服はどのような姿に変わるのだろう?と、観る者の想像力を駆り立てていく。
ミニマルなカラーで溢れるコレクションに、リズムをもたらしていたのが、グラフィカルなアートワーク。実はこのモチーフは、ラフの長年のコラボレーターとして知られるアーティスト、ピーター・デ・ポッターが手掛けたものだ。コレクションの中では、オーバーシルエットのパーカー×プリーツスカートのルックや、シャツ風アウターなどにあしらわれ、“ラフらしい”若々しくフレッシュな空気が添えられていた。