ブランド再出発の顔として起用されたクリストファー・オウエンスに続き、2013年春夏キャンペーンでベックが出演したことで注目され続けているサンローラン(Saint Laurent)のキャンペーン・アド。コートニー・ラブ、キム・ゴードン、マリリン・マンソンなど、90年代ロックを代表する大物ミュージシャンが次々と出演している。
エディ・スリマンは今年に入って、コートニー・ラブをニューヨークにある彼女のタウンハウスで撮り下ろした。この10年、何度もエディ・スリマンに撮影されているコートニー・ラブ。今回はクラシカルなサンローランのピンストライプスーツとシグネチャーのシルクラッフルシャツ、2013年プレフォールコレクションのイブニングドレープドレス、最新の2013-14年秋冬のショーで披露されたメンズの白黒ファーコートを身にまとった。
更にサンローランのニューヨークのスタジオでは、初めてキム・ゴードンもエディが撮影。ゴードンは撮影用の衣装を自ら選び、サンローランのアイコニックなスモーキングジャケット、「レザー・ミニ」という名のスカート、クラシカルなビスチェドレス、ベルメイユコレクションのジュエリー、そしてエディ自身のポルカドットのスカーフも着用している。
またマリリン・マンソンは、SAINT LAURENT MUSIC PROJECTの一環として、キャンペーンに登場している。ロサンゼルスで撮影されたマリリン・マンソンは、シグネチャーの「L01」(L=LEATHER 01=SERIES S=SHORT)ライダースジャケットを着用。これは、キース・リチャーズやシチズンズ!のトム・バークも着ている人気のジャケットだ。 「L01」は2013年4月末にもカリフォルニアの若手ロックアーティスト、アリエル・ピンクが身につけて音楽・アート雑誌に登場する予定だ。
SAINT LAURENT MUSIC PROJECTは、ロックスターがサンローランのコレクションや定番アイテムを自ら着こなす、ポートレートキャンペーンとして拡大してきた。このSAINT LAURENT MUSIC PROJECTにはもうひとつ、サンローランのショーのためにオリジナルサウンドトラックを手がけるという重要な側面も。これまでアーティストには、ダフトパンク、タイ・セガール、さらに最新のウィメンズ2013-14年秋冬ではジー・オー・シーズなどが参加している。
90年代後半のイヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ オム時代、そして2000年代初頭のディオール時代にも多数のミュージシャンのステージ衣装を手掛けてきたエディ・スリマン。エディは10年前から「ROCK DIARY」というパーソナルプロジェクトを進めており、ロックシーンの伝説的存在やニューフェイスのアーティストの撮影を続け、ロックやパンク・カルチャーと非常に強い結びつきを持っている。デヴィッド・ボウイ、ミック・ジャガー、ザ・リバティーンズ、ザ・キルズ、そしてフランツ・フェルディナンドといったアーティストの数々がエディのプロジェクトに名を連ねている。
1971年5月、ムッシュ イヴ・サンローランは、以前より親交のあったミック・ジャガーとビアンカの結婚式の衣装をデザインを手がけた。このようなロックスターとメゾンブランド「イヴ・サンローラン」との関係を一層深いものにした歴史に起源し、2013年、このスピリットがエディ・スリマンにより改めて継承された。キャンペーンヴィジュアルは多数のミュージシャンを迎え、エディ・スリマン自身により撮影され続けている。