トリー バーチ(TORY BURCH) 2021年春夏コレクションが発表された。
今シーズンのインスピレーション源となったのは、トリー・バーチが世界中で見つけた“ハンドメイド”にまつわる思い出。実家のファームに吊るされていたバスケットや、近所のお店で見つけたハンドキルト、そしてあらゆる旅先で出会った工芸品…。そんな彼女の脳裏に刻まれた記憶を頼りに、クラフトマンシップを駆使した温かみのあるコレクションを展開する。
コレクションに溢れるのは、バスケット織りやラタン、絵画のようなクロスハッチをモチーフにしたプリントやパターン。また職人による花刺繍が洋服からアクセサリーに至るまで取り入れられたほか、キルトの技法のひとつ“トラプント”のステッチやマクラメなど、丁寧な手仕事を感じさせる伝統的なディテールが、さらたなる温かみをプラスする。
中でも印象的だったのは、アイコニックな“ダブルT”ロゴを一面にあしらった「Tモノグラム」の新パターン。そのふっくらとした独特な表情は、ペンシルベニア・ダッチのテキスタイルにみられるキルティングモチーフをイメージしたもの。どこか懐かしい表情に仕上げながら、明るいイエローを基調にした3ピースの提案で、モダンなムードへと引き寄せている。
軽量なコットンポプリン、シルクツイル、包み込むようなキャンバス。そんなソフトで快適なファブリックと呼応するように、今季はスポーツウェアを意識したリラクシングなシルエットが主流だ。ボーダー柄のセットアップは、美しいテーラリングでありながら、足首をキュッと絞ったイージーな表情。またさらりと一枚で纏った、オーバーシルエットの白ワンピースは、ウエスト位置をゴムで絞ることで、ほんのりとアクティブさをプラスしている。
人気のアクセサリーシリーズにも、ハンドメイドの温かさを感じさせる、新作アイテムがずらり。バッグには、ゆったりと折りたためるレザートートや、バスケット織りのショルダーバッグ、タッセル付きのクラッチなどがラインナップ。また足元には、美しいシルエットが目を惹くカプリサンダルや、ギャザー入りのスエード製スライドなどをスタイリングしている。