展覧会「岩﨑家のお雛さま」が、東京の静嘉堂文庫美術館にて、2021年2月20日(土)から3月28日(日)まで開催される。

雛人形や“春”を感じる美術品を公開

3月3日の桃の節句に、かわいらしい人形や小さな道具を飾る「雛祭り」の風習は、江戸時代に広まり、現代まで続いている。展覧会「岩﨑家のお雛さま」では、静嘉堂文庫美術館が所蔵する贅を尽くした雛人形・雛道具に加えて、春を感じさせる京焼の名品や近代絵画をあわせて展示する。

雛祭りの起こり

雛人形の風習は、古来、神事に用いた「形代(かたしろ)」や平安貴族の子どもたちのままごと「ひいな遊び」に起源を持つ。本展では、お雛さまを飾る風習が定着した江戸時代の雛祭りの様子を、当時の人形や版本から紹介。江戸時代の雛人形「立雛」や、座った姿勢で豪華な衣装を身にまとった「享保雛」などを目にすることができる。

贅を尽くした「岩﨑家雛人形」

また、静嘉堂文庫美術館が所蔵する、近代の雛人形の数々も展示。これらは、三菱第四代社長・岩﨑小彌太がその夫人・孝子のために誂えたものであり、技術の粋を凝らした美術工芸品だといえる。

会場では、白くつややかで丸い顔の幼児姿で作られた内裏雛や、内裏雛に仕える三人女官、そして五人囃子など、「岩﨑家雛人形」の数々を紹介する。

「春」にまつわる江戸美術・近代絵画も

さらに、桃の節句にちなんで、「春」にまつわる草木や風景をモチーフにした作品も。京焼の名工・野々村仁清の代表作のひとつであり、黒の背景に桜が咲く吉野山の景色を描いた重要文化財「色絵吉野山図茶壺」や伝 尾形光琳「紅白梅図屏風」といった江戸美術の名品、そして鴨を「たらし込み」の技法で表現した平福百穂「鴨」などの近代絵画も楽しむことができる。

そのほか、同館が所蔵し、世界に3点のみ現存するとされる国宝「曜変天目」もチェックしたい。

展覧会概要

展覧会「岩﨑家のお雛さま」
会期：2021年2月20日(土)～3月28日(日)
会場：静嘉堂文庫美術館
住所：東京都世田谷区岡本2-23-1
休館日：月曜日
開館時間：10:00～16:30(入館は16:00まで)
入館料：一般 1,000円、大高生・障害者手帳の所持者(同伴者1名を含む) 700円、中学生以下 無料
※予定は変更となる場合あり(最新情報は美術館ホームページなどで確認)

※写真の無断転載を禁ずる。

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600 (ハローダイヤル)