今季デビューとなった、モンクレール W(MONCLER W)の2013-14年秋冬コレクションは、2013年5月24日(金)に東京・代々木の国立競技場で発表された。今回のコラボレーションはモンクレール(MONCLER)とホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)が、モノづくりの部分で共感したことから生まれたコレクションだ。ホワイトマウンテニアリングのデザイナーとして知られる相澤陽介が本コレクションのデザインを手がける。
カラートンはグレー、レッド、カーキ、ベージュをベースにしたアイテムを展開。ウェーブを描くキルティングのステッチやオリジナルのジャカード柄をカモフラ―ジュに進化させたグラフィックが、全体を通して見られる。異なる着丈のアイテムをレイヤードさせるバランス感もモンクレールWならでは。素材はモンクレールとホワイトマウンテニアリングとで共同開発されたものだそう。
コレクション初披露目となったプレゼンテーション会場には、デザイナー相澤も姿を見せ、コラボレーションについて次のように語った。
コンセプトは雪山とインダストリアルデザインを融合させたもの。ひとつの素材とかにこだわるというよりは、バリエーションを増やして組み合わせることで工業製品を作るような感覚でダウンジャケットなどのウェアを作っていきました。
モンクレール自体がガム・ブルーやグルノーブルといったラインがあるので、コンセプトがかぶらないように、ホワイトマウンテニアリングとしてどういうものを提案していったらいいかと考えました。
メンズの場合は、例えばガム・ブルーだと春夏コレクションだと「水兵」とか毎シーズン、スタイルやストーリーとしてのコンセプトをテーマに掲げていたんですが、自分は「モノづくりとしての根本にある部分」をテーマにしてデザインするというアプローチです。
スノーウェアや工業製品としてのデザインを意識しています。例えば、車であればひとつの製品に同じカラートーンで異なる素材の部品を合わせていくような感覚です。ディテールごとに素材を当て込んでいます。今回のコラボレーションは自分のアイデアを出しながら、クオリティの高いものに昇華したい、中途半端なものは作れないという覚悟で臨みました。
モンクレールの代表的なアイテム、ダウンジャケットの提案の仕方は秀逸。例えばホワイトマウンテニアリングでも、ニットでダウンジャケットを作ることがあるんですが、その過程で糸を変えたり素材の厚みを変えたり素材選びの段階があります。モンクレールは素材の選別において適材適所を見極める素晴らしい目を持っていると思います。そういう意味で自分だけでやるのとは違う判断がありました。
今回のコレクションのプロジェクトが持ち上がったのは1年以上前。大規模なブランドとのコラボレーションは有意義でしたし、評価されたことは嬉しかったです。
――MONCLER Wデザイナー/相澤 陽介