マルニ(MARNI)の2021年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。
今季のクリエーションについて、「ロマンチックな愛の歌を奏でるように、そしてラブレターを書くかのようにクリエイションした」と語るクリエイティブ・ディレクターのフランチェスコ・リッソ。彼が思いを馳せたのは“現代のロマン主義”だ。社会的規範や合理性に対する反骨として生まれたロマン主義を現代的な視点から見つめ直し、“パワフル”なものであると定義づけた。
今シーズンは、そんな“パワフル”なロマンスを色やフォルムで追及したもの。コレクションを彩るカラーは、鮮やかでエネルギッシュ。フランチェスコ自身が“ロマンスの色”と呼ぶブラックに、レッドやブルー、パープルといったビビッドなカラーをのせた。漆黒のラッフルドレスやフリルシャツから溢れ出るように、鮮やかな色彩がにじむ。
シルエットは、ダーツやフリルで独特のボリューム感を演出。フランチェスコ曰く“愛のこもったレンズ”を通すことで、オーセンティックなウェアを変形させている。シャツワンピースはウエスト部分にダーツを施すことでまるでコルセットのようなフォルムに。ロングスカートは生地を贅沢に使用し、フリルを幾重にも重ねることでふんわりとしたシルエットに仕上げた。
秋冬の主役であるアウター類も、とにかくボリューミー。キルティングジャケットは、まるで羽毛布団をかぶっているかのようにユニークなフォルムを描きだしている。バッグも“愛のこもったレンズ”を通すと、とびきりビッグサイズに。ボトムスを覆い隠すほど大きなハンドバッグが、コレクションに遊び心を添えた。