2013-14年秋冬のメイクアップは、一段と刺激的でエモーショナル。世界のファッションシーンで数多くの有名ブランドのランウェイショーのメイクアップを手がけ、トレンドを牽引するM·A·Cが最新のメイクアップを提案する。
今季のメイクアップは分かりやすく直接的なアプローチとは真逆。まるでその顔自体がストーリーを語るかのような、より情緒性を増した秋冬のメイクアップは、新しい美的価値観を創り出したと言い得る。強さと儚さ、パンクとフェミニンといった二面性が出会うような、アナーキーなムードが漂う。
女性のユニークさを矯正し、なにか完璧な形へと変貌させる為のメイクではなく、また個々の魅力をだれかが作った価値観に合わせる為のものでもない。各々の本質的な美しさを追求するのがモダンなメイクにする秘訣。その方向性は、多くのファッションデザイナーがコレクションを語る際の大きなキーワードのひとつである「エフォートレス」とも一致する。
全体のトレンドを語る際に有効なキーワードは、ファッションにも見られる通りグランジやパンク、ロックなど。ただし、現代的に進化したテクスチャーや作り込まないニュアンスを大事にしている。M・A・Cが挙げた4つのキーワードは、「反抗的」を意味する「REB-ELLE」、倦怠感や不気味さに美を見出す「SPIRITUAL-EYES」、ゴシックを感じさせるレッド・リップ「AU-CURRANT」、セロファンのような人工的なニュアンスの肌感がキーとなる「PERSPEX-TIVE」。
左がテリー・パーバーの「REB-ELLE」メイクで、右は耕万理子の「SPIRITUAL-EYES」メイクだ。
2013年6月に東京で開催されたM・A・Cのプレゼンテーションでは、パンキッシュなブラックアイメイクの「REB-ELLE」をロンドンを拠点に活躍するM・A・Cのアメイクアップディレクター、テリー・バーバーが、ソフトでスモーキーなアイシャドウのメイク「SPIRITUAL-EYES」を、同ブランドのシニアアーティスト、耕万理子が披露した。
【M·A·Cが提案する2013-14AWのトレンド・キーワード】
■REB-ELLE
左)roberto cavalli 右)MISSONI
©M・A・C
「パンク」「ロック」「グランジ」を感じさせる、ブラック-アイ。今シーズンは様々なニュアンスのブラック-アイが登場した。インクのように深みのある黒、ガソリンのような艶、ピュアで抜け感のある囲みメイクなど様々だ。ミッソーニは、カラーのレイヤードやテクスチャーの重なりが特徴。ロベルト カヴァリはオイルのような艶を、ケンゾーは目の下にボリュームを持たせている。
実演でテリー・バーバーが披露したのは、70年代のスモーキングジャケットや、写真家ヘルムート・ニュートンからインスピレーションを得たメイク。スモーキーな囲みアイメイクには、ミネラライズ アイシャドウ ボッサ ブルー(2013年8月1日限定発売)を仕上げに使った。ミネラライズのシリーズは、肌と一体化するようなニュアンスを作るにはうってつけ。
骨格を生かし、個性を引き出す肌作りには、頬骨から眉尻にかけて、鼻筋、唇の上のキューピットゾーンなど光を集める場所をハイライトで柔らかく強調する。目元を強調するために、リップにはスキントーンに近いカラー「M・A・Cミネラライズ リッチ リップスティック リュクス ナチューレ」で、マットとグロスの中間のテクスチャーのものを選んだ。