■SRIRITUAL-EYES
耕が手がけたSPIRITUAL-EYESは、ソフト・スモキーなカラーを、まるで影のように肌に溶け込ませ、不気味さをも感じさせるようなミステリアスな目元に。ティム・バートンの映画を思い起こさせるような怪しげで哀愁漂うムードを演出している。
耕はまず、艶っぽい潤いのあるテクスチャーのミネラライズ モイスチャー ファンデーションで肌づくりをしていく。素の肌感を残しながら、グロッシィに仕上がるのが特徴。コンシーラーも使わない。パウダーで仕上げても、輪郭は光を受けて輝き、立体感が残って美しい。
アイメイクはグレートーンのシャドウを際から扇状に広げていく。使用した「ヴェラックス パールフュージョン シャドウ パステル リュクス(2013年8月15日発売)」は肌に馴染むので日常使いにもオススメだ。濡れたような輝きを与えるように、ラメ感のあるグレイッシュパープルをまぶたの外に向かってブレンドアウト。目の下にも幅広にぼかしていく。アイラインも入れず、線を残さないように仕上げた。チークは「ミネラライズ スキンフィニッシュ リオ(2013年8月1日発売)」をふわっと大きいブラシで乗せ、わずかに血色を与えると、ロマンティックでエフォートレスな秋メイクの出来上がり。
■AU-CURRANT
AU-CURRANTは、ダークチェリーやクリムゾン・レッドといったカラーで作る、未完成のようで巧みに作られる洗練されたリップ。オレンジトーンではなく、ブルートーンのレッドがトレンドだ。ポール スミスのメイクは、中心にインパクトのあるカラーを置き、外側に向かってぼかすことでローズの花びらのようなふくよかで魅力的な唇に。MARNIでも中心にポイントを持ってきて、さらにエッジをぼかすテクニックが使われている。
■PERSPEX-TIVE
左)MUGLER 右)ISSEY MIYAKE
©M・A・C
PERSPEX-TIVEメイクでは、マットとグロッシィといった対極のテクスチャーを肌の上で共演させる。シェーディングなどのカラーではなく、自然の光を操って立体感を演出するテクニックに注目だ。ミュグレーではリップグロスをまぶたに使った“セロファン アイ”がフューチャリスティック。イッセイ ミヤケは頬骨に一筆で描いたようなアイシーなラインを。ポイントの輝きを生かすため、アイブロウはブラッシングしただけ、アイカラーやチーク、リップもカラーレスで素の顔に近い極々ナチュラルなメイクアップだ。
【Short Interview】
ここからはメイクアップアーティストのふたりに聞いた、2013-14年の秋冬のランウェイメイクのポイントや、トレンド・メイクのテクニックなどについて紹介する。
■耕万理子/M・A・C シニア アーティスト
Q.やはりアイメイク・フォーカスが今季のトレンドですか?
A.そうですね。あとはリップです。赤リップは引き続きのトレンドですが、秋冬はブルートーンのレッドに移行しています。
Q.どうすれば、秋冬のトレンド感を出せますか。
A.キラキラの質感でカラーレスだった春夏のメイクに「ひと手間加える」という感覚でいけると思います。秋冬っぽさをアイメイクで表現するにはプラムとかグレーのペンシルを間に挟むだけで深みが出るので、ワンステップ足すとか。
もしくはちょっとグレイッシュなアイシャドウをキワに入れるだけでも、シーズンっぽい印象に仕上がります。