イザベル マラン(ISABEL MARANT)は、2021-22年秋冬コレクションを発表した。
今シーズンのキーワードは、“過去のビジョン、もしくは未来への投影”。この曖昧な景色をシルエットやカラー、プリントで表現したコレクションに仕上げている。イメージソースとなったのは、ギタリスト ジミ・ヘンドリックス(Jimmy Hendrix)やロック・シンガー ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin) などが牽引した60年代のフォークスタイルと自由至上主義の精神、テンポの早いガバ(Gabber)シーンのテクノミュージック、90年代に一世を風靡したサブカルチャー。あらゆる時代のカルチャーをミックスさせて多彩なワードローブを生み出した。
エネルギッシュなヴィヴィッドカラーが印象的な今シーズン。ピンクやパープルで構成したフラワーモチーフや、生い茂るようなグリーンを添えた花柄プリントが、マキシ丈のワンピースやシースルー素材のブラウスなどに登場する。
ゆったりとした肩周りに対してウエストをキュッと絞るなど、メリハリのあるシルエットも印象的だ。歩くたびに裾がひらひらと波打つ花柄のワンピースは、同素材のベルトでウエストマーク。肩周りが膨らんだホワイトツイードのブラウスは、ペプラムシルエットに仕立てた。
ニットやベロアなど秋冬らしい素材に加えて、光沢感のあるビニール生地を用いたアイテムも散見された。エレクトリックブルーのホログラフィックビニール生地を取り入れたトップスは、同素材のパンツと合わせエッジーなムードを演出し、同じくビニール素材で仕立てたフラップポケット付きのシャツは花柄のトップスを忍ばせてコントラストを効かせた。
ワイドベルトにウエスタンブーツを組み合わせたスタイリングも今季の特徴だ。カラーストーンをセットしたデコラティブなベルトは、ワントーンのトップスはもちろん、花柄のワンピースと合わせても大きな存在感を放つ。一方、ブラックやブラウンなど落ち着いたカラーリングのウエスタンブーツは、あらゆるスタイリングに溶け込むように馴染む。