ヴェルサーチ(VERSACE)が2013年6月22日、2014年春夏メンズコレクションをイタリア・ミラノで発表した。
色とりどりのヴェルサーチに身を包んだ観客の興奮が会場全体を包むなか、ショーがスタート。ビキニパンツにバスローブ、ヴェルサーチの十八番であるプリントのセットアップ、羽が浮き上がるようなジャカードのネイビースーツ、パンキッシュなライダースジャケットなどに身を包んだマッチョなモデル7人が最初に登場する演出で幕を開けた。
注目のアイテムは、色気とストリートの要素を融合させたスーツ。ジャケットはワイドラペル、低めのボタン位置、ウエストマークと“色気見本市”なのに、トラウザーは裾をゴムで絞ったり、サルエル風のシルエットだったりストリートの要素を取り入れている。素材はジャカードが多く、一見では無地に見えるネイビージャケットが、実はサーファーやスケーターがジャカードで隠れていたりする。
パンクテイストのアイテムも多く、 ゴールドのスタッズで飾った“ラグジュアリーパンク”なライダースジャケット、ペンキをスプレーと手書きで殴りつけたかのようなアイテムが異彩を放っている。グミを縦長に伸ばしたようなカラフルな80's風モチーフは、色気を中和する箸休めになっている。
バブル時代に一世を風靡したヴェルサーチを象徴するプリントシャツは、その派手さ加減が廻り巡って新鮮に見えるようになってきており、実際ショー会場でもストリートっぽく着こなした若者の姿を見かけた。日本でもコアな顧客層を抱えるヴェルサーチだが、ケンゾー的な手法で若い世代へ売り出せば、20年の時を経た再ブレイクもあるかもしれない。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)