ディースクエアード(DSQUARED2)が2013年6月25日(火)、2014年春夏コレクションをイタリア・ミラノで発表した。
ショーの幕が上がると同時に、不時着したと思しき戦闘機と熱帯雨林のセットが姿を見せ、その中からパンツ一丁のモデルが登場。テーマは「SHANGRI-LA-LA(理想郷)」で、飛行機の不時着という憂き目に遭いながら結果的に戦争とは無縁の楽園にたどり着いた若者の姿を描いている。
限りなく裸に近い姿の次は戦闘服に身を包んだ服が登場するのかと思ったら、2ルック目は袖がレザーになったGジャンとワイドパンツに、映画「乱暴者」のマーロン・ブランドを彷彿とさせるバイカーキャップとエンジニアブーツを合わせた50’sなスタイル。その後もリアルな色落ちのヴィンテージ加工のジーンズ、手書きプリントのブルゾン、ペパーミントグリーンのレザーブルゾンなど、映画のスクリーンの中から飛び出してきたような1950年代調のスタイルが続く。
中盤はトライバル(民族調)の要素が強くなり、熱帯雨林の大きな葉っぱをプリントしたシャツとショーツのセットアップや、民族調のお面を大胆にプリントしたシャツが登場。これは徐々に楽園の環境に慣れ、慣れ親しんだスタイルに現地のモチーフと伝統を取り入れ始めたということなのだろう。
ラスト数体のシャングリラでの夜遊び服は、正統派のフォーマルに南国の要素をミックス。竹細工のようなジャカード柄のタキシードジャケットは、一分の隙なくぴったり体に沿っていてパターンの素晴らしさが伺える逸品で、とくに背中から見た美しさは特筆に値する。
Text by Kaijiro Masuda (FASHION JOURNALIST)