伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」が、東京・福岡・京都にて開催される。会場および会期は、東京国立博物館 平成館では2021年10月12日(火)から11月21日(日)まで、九州国立博物館では2022年2月8日(火)から3月21日(月・祝)まで、京都国立博物館では4月12日(火)から5月22日(日)まで。

貴重な仏像や絵画などから天台宗の歴史を紹介

平安時代のはじめに仏教界に新風をもたらした僧、伝教大師最澄。あらゆる人びとを救うという『法華経』に惹かれた最澄は、この教えを基礎に天台宗を打ち立てた。最澄が比叡山に創建した延暦寺は、日本史上、多くの高僧を輩出し、日本文化に大きな影響を及ぼしてゆく多彩な教えを育んだのだった。

特別展「最澄と天台宗のすべて」では、仏像や絵画など、日本各地で守り伝えられてきた宝物や、天台宗の精神をあらわす文化財を展示し、天台宗の歴史を紹介。延暦寺における天台宗の始まりから、東京・上野の東叡山寛永寺を創建して太平の世を支えた江戸時代に至るまでの足跡をたどる。

本展では、最澄にゆかりの深い像である京都・法界寺の「薬師如来立像」(東京・京都会場)や、平安時代中期の名品とされる京都・真正極楽寺(真如堂)の「阿弥陀如来立像」(東京会場)などの秘仏を寺外初公開。また、天台宗最盛期を飾るもっとも優れた作品「釈迦金棺出現図」(九州会場)など、貴重な絵画や仏像の数々とともに、天台宗の歴史をたどることができる。

地域的な特色にも着目

東京・福岡・京都の各会場における、地域的な特色にも着目した展示も特徴だ。

東京会場：東国における天台宗の精華

東京会場では、東国を中心に全国に浸透した天台宗の精華を、写実性に富んだ「慈眼大師(天海)坐像」などとともに紹介。また、上野が「東の比叡山」寛永寺の所在地であることに着目し、「慈眼大師縁起絵巻」といった江戸天台の華麗な美術作品を一堂に公開する。

九州会場：巡礼の旅と西日本における天台宗のあゆみ

九州は、かつて僧侶が大陸を目指して出発した地である。最澄は渡唐前に九州に滞在して航海の無事を祈り、帰国後も神仏への謝恩のために再びこの地を訪れている。また、その後も多くの僧侶が巡礼のために訪れた。九州会場では、「太郎天及び二童子立像」や「菩薩遊戯坐像」などから、天台僧の巡礼の旅と西日本における天台宗の発展を紹介する。

京都会場：京都を中心とする寺院の名宝を一挙公開

京都は、平安京という天台宗の中心となった地域だ。京都会場では、京都を中心に、京都と密接な交流があった北陸や西国の寺院の名宝から、天台宗の歴史を紹介。現存する最古の最澄の肖像画や、平安時代の蒔絵の貴重な例である「宝相華蒔絵経箱」など、選りすぐりの名宝を目にすることができる。

展覧会概要

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」
■東京会場
会期：2021年10月12日(火)～11月21日(日) ※会期中に一部作品の展示替えを実施
会場：東京国立博物館 平成館
住所：東京都台東区上野公園13-9
開館時間： 9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日：月曜日
観覧料：
・前売日時指定券＝一般 2,100円、大学生 1,300円、高校生 900円
・当日券＝一般 2,200円、大学生 1,400円、高校生 1,000円
※事前予約制(日時指定券)を導入(詳細は展覧会公式サイトを参照)
※予約不要の「当日券」を、会場にて若干数用意(販売を終了している可能性あり)
※中学生以下、障がい者と介護者1名は無料(ただし、オンラインでの「日時指定券」の予約が必要)、入館時に学生証、障がい者手帳などを提示のこと
問い合わせ先TEL：050-5541-8600 (ハローダイヤル、9:00〜20:00 / 年中無休)

■九州会場
会期：2022年2月8日(火)～3月21日(月・祝)
会場：九州国立博物館
住所：福岡県太宰府市石坂4-7-2
問い合わせ先TEL：050-5542-8600 (ハローダイヤル、9:00〜20:00 / 年中無休)

■京都会場
会期：2022年4月12日(火)～5月22日(日)
会場：京都国立博物館
住所：京都府京都市東山区茶屋町527
問い合わせ先TEL：075-525-2473 (テレホンサービス)

※開館時間、休館日、入館方法などの情報は、確定し次第、展覧会公式サイトなどにて告知
※九州・京都会場の展示期間限定作品については、後日、展覧会公式サイトなどにて案内
※展示作品、会期、展示期間などは、変更となる場合あり(最新情報は展覧会公式サイトなどにて確認)