フェンディ(FENDI) 2022年春夏メンズコレクションが発表された。今シーズンの舞台となったのは、フェンディが本拠を構えるローマに位置する「イタリア文明宮」。その歴史深い場所から見渡せる、美しいローマの自然の色彩と建築物の壮大なキャンバスが、コレクション制作のカギを握るインスピレーション源となっている。
コレクションを彩るのは、春の花と移り行く空をそのまま映し出したかのようなレモンやライム、アイスブルー、ラベンダー、ピスタチオ、ピオニーといった繊細なパステルカラー。そこにはトラバーチン、チョーク、グラファイトやスレートなど、歴史深い建築物を連想させる鉱物の色合いと対比させることで、より一層その爽やかな表情を引き出しているのが印象的だ。
また建物から眺めたローマの光景を、まるで描き出したかのような“マップ柄”のコートやハーフパンツも、今季を象徴するアイテムといえるだろう。フェンディのアーカイブから見つけ出されたという、このローマの図解入り地図には、手描き風のロゴを散りばめてアクセントをプラスした。
さらに「フェンディ アース」と題する“地形”をイメージした、今季ならではのモチーフもお目見え。シアリングで表現したラグジュアリーなアウタールックは、素足で纏った超ショート丈のパンツを大胆に合わせることで、夏らしい開放的なムードへと導いている。
これまでのファッションの概念を打ち破る、「テーラリングへの探求」も今季を語るうえで欠かせない要素だ。胴で短く切り落とされたジャケットやシャツ、足首にスリットの入ったストレートトラウザー、ポケットが裾の下まで垂れ下がったシティショーツなど、夏の素材に自由なスピリットのシルエットと実用的なディテールを組み合わせたワードローブが、コレクションに楽し気なリズムをもたらしていく。
今季はボタンのカラーまで統一したモノトーンのルックも多い中、“ハイブリッド”な組み合わせを、ポイントで取り入れているのも特徴だ。例えばカジュアルなシャツには、ミスマッチなジャカードの襟やストライプのコットンの袖をミックス。またショーのラストを飾ったピークドラペルの黒ジャケットは、胸下から艶めくオーガンザで切り替えることで、大人の遊び心を感じられるドレッシーな表情を演出している。
フェンディで人気を集めるアクセサリーにも注目したい。新作バッグには、マットナイロンで仕上げたアイコン「ピーカブー」をはじめ、新作メッセンジャーバッグやクラッチが登場。またシューズには、バックル付きサンダルやパステルのスリッポンニットスニーカー、スエードのデザートブーツなどがラインナップする。
さらにフェンディは、グローバルな水着ブランド「アリーナ(ARENA)」とのコラボレーションも実現。スイミングゴーグルやスイミングキャップといったビーチアイテムが、開放的な夏のムードを高めている。