特別展「シダネルとマルタン展 最後の印象派」が、山梨県立美術館にて、2021年11月3日(水・祝)から2022年1月10日(月・祝)まで開催される。その後、東京のSOMPO美術館、鹿児島市立美術館、美術館「えき」KYOTOに巡回予定だ。

“最後の印象派”シダネルとマルタン、その穏やかな作品世界

アンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタンは、ともに19世紀末から20世紀前半にかけて、フランスを中心に活躍した画家だ。

シダネルとマルタンはともに、豊かな色彩や点描といった印象派や新印象派の表現を取り入れることで光を色彩感豊かに描きだす作品を手がけ、印象派の流れを汲む最後の世代に位置付けられる。しかし、画家が受けた印象をもとに眼前に広がる風景を描いた印象派とは異なり、19世紀末に広がった象徴主義的な世界観や、家族や自邸の情景のように身近なものを叙情性豊かに描く“アンティミスト(親密派の画家)”の顔もあわせ持っていた。

生涯にわたる親交を結び、絵画表現における共通点も多いシダネルとマルタンではあったものの、シダネルは月夜や夕暮れ、食卓や庭といった静謐な風景を、抑制された色調で詩情豊かに描きだした一方で、マルタンは明るい陽光に照らされた風景や人物を暗示的な表現で描き、大画面の装飾壁画も得意としてフランス国内の公共建築の壁画も数多く手がけた。

特別展「シダネルとマルタン展」は、彼らふたりに焦点を合わせた、日本初の展覧会。シダネルの《ジェルブロワ、テラスの食卓》や《ヴェルサイユ、月夜》、そしてマルタン《二番草》や《ガブリエルと無花果の木［エルベクール医師邸の食堂の装飾画のための習作］》などの絵画を展示し、穏やかで、神秘的な光と色彩に彩られた作品世界を紹介する。

展覧会概要

特別展「シダネルとマルタン展 最後の印象派」
会期：2021年11月3日(水・祝)〜2022年1月10日(月・祝)
会場：山梨県立美術館 特別展示室
住所：山梨県甲府市貢川1-4-27
開館時間：9:00〜17:00(最終入館は16:30)
休館日：月曜日(1月3日(月)・10日(月・祝)は開館)、年末年始(12月27日(月)～1月1日(土・祝))、1月4日(火)
観覧料：一般 1,000円(840円)、大学生 500円(420円)
※( )内は20名以上の団体料金、県内宿泊者割引料金
※高校生以下の児童・生徒は無料(高校生は生徒手帳持参)
※県内65歳以上は無料(健康保険証など持参)
※障害者手帳の持参者およびその介護者は無料
※11月20日(土)県民の日は誰でも無料
※会期などは変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページなどを確認のこと)

■巡回情報
・SOMPO美術館
会期：2022年3月26日(土)～6月26日(日)
住所：東京都新宿区西新宿1-26-1
・鹿児島市立美術館
会期：2022年7月15日 (金)～8月31日(水)
住所：鹿児島県鹿児島市城山町4-36
・美術館「えき」KYOTO
会期：2022年9月10日(土)〜11月6日(日)
住所：京都府京都市下京区東塩小路町 京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接
・ひろしま美術館〈終了〉
会期：2021年9月11日(土)～10月24日(日)
住所：広島県広島市中区基町3-2

【問い合わせ先】
山梨県立美術館
TEL：055-228-3322