トラックの幌を使ったメッセンジャーバッグが人気の、スイス発祥のブランドフライターグ(FREITAG)。そのフライターグが、2013年9月6日(金)東京・渋谷に新店舗をオープンした。
2011年10月、東京・銀座にオープンした「FREITAG STORE TOKYO」に続く日本第2号店。リペア用の工房も備わったこの店舗のデザイン・設計は、フライターグの地元チューリッヒのspillmann echsle architekten agと日本のトラフ建築設計事務所が手掛けた。デザイン賞を取ったV30パーツで作られた引き出し、その中には約1400もの商品BOX。BOXを引き出すと、中には1つ1つ商品や材料が入っており、約60のディスプレイされたアイテムとともに訪れた人を迎える。店舗内にはリペアスペースも用意。商品の修理はもちろん、好みの幌をカットしてバッグを作って貰える。
今回は、来日したフライターグの創業者、マーカス・フライターグ(Markus Freitag)、ダニエル・フライターグ(Daniel Freitag)兄弟に、ブランドとしての「エコ」に対する姿勢や、新店舗について話を聞いた。
ダニエル : ここは、すごく恵まれた立地だからです。なぜなら渋谷・原宿という、2つの街の丁度中間地点。ファッションやカルチャーの発信地であり、若者の街でもある渋谷・原宿は、街全体がすごく生き生きしていると思います。それともう1つ、特にこのショップのロケーションで気に入っていることをあげるとすれば、明治通り・キャットストリートという2つの通りに面しているということですね。
ダニエル : そう、両側から出入りできるんです。だからもし、明治通り側からキャットストリート側に出たい人がいれば、お店の中を通って行けるんですよ。通りのような感覚でね。(笑)実際、そういうコンセプトで、店内の床には道路のような白いサインがあるんです。
マーカス : 確かに、ロケーションと言う意味では違います。でもお客さんはいつだって一緒、16歳位から66歳位までの幅広い年齢層をターゲットとしていることには変わりはありません。だから立地に対するこだわりはあまりないんです。もちろん多くの人が訪れる素晴らしい街にショップを構えるというのも大事ではありますけどね。それよりもむしろ大切なのは私達にとってのゴール、つまりお客さんに一貫して質の良い商品を届けることです。
そうそう、その観点からいえばもう1つ、私達が自分達のショップと同じくらい大切にしているのはリテイラーの存在ですね。彼らと良好な関係を築くことは、私達のゴールを達成する上で非常に意義のあることなんです。例えばアーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)は長い間僕らの商品を扱ってくれています。するとお客さんはどうなるか。もちろん私達のショップに来て商品を見ることもできますが、アーバンリサーチのショップに行って私達の商品を見るという選択もできます。つまり、リテイラーとの協力は、お客さんにとっての私達の商品へのアクセスをよりワイドなものにしてくれるんです。
ダニエル : 私達がいつもショップ作りにおいて大事にしているのは、「街路」あるいは「通り」のコンセプト。だから壁や天井にはとくに塗装やデコレーションをせずに、ありのままにしています。この「街路」アプローチはフライターグのショップにすごく特徴的な部分。ライトも街路灯を使っています。東京の街で使われているものと全く同じです。あとは長い壁をイメージした商品棚。実はこの棚は全て、フライターグがパターンをして作った「V-30」と呼ばれる均一のピースを組み合わせてつくっています。だから自分達が思うように壁の長さを伸ばしたり縮めたりできるんです。
もう1つ、フライターグのショップにおける大きな特徴は、ショップ全体のカラートーン。スイスの工業地帯で使われている典型的な色をそのまま再現しています。私達はブランドを始めた時からずっとその工業地帯に工場を構えていましたからね、このカラーは今やフライターグのカラーでもあるんです。