イザベル マラン(ISABEL MARANT)が2022年春夏コレクションを発表した。
イザベル マランの2022年春夏コレクションに漂うのは、スポーティかつ官能的なムード。近未来的な世界観を持つハンス・フューラー(Hans Feurer)の写真にインスピレーションを得て、セクシーなフェミニティとアスレチックウェアという2つの要素をミックスさせた。
ハンス・フューラーのカメラが多く捉えたのは、太陽が照りつける海岸で、スポーツに興じる女性たちの姿。それを受けて象徴的に取り入れられたのが、ビキニをはじめスイムウェアを彷彿とさせるアイテムだ。ヘルシーなビーチの要素によって、リアルクローズに洒脱なスパイスが差し込まれている。
カラーパレットにおいてまず目を引くのが、フィルムに映し出されたまばゆい光をそのまま服に落とし込んだかのような、鮮烈な色味。グラデーションで表現されたサンセットカラーのデニムサロペットや、濃淡の異なるイエローを重ねたジャケットなどが揃う。
同時に、テクニカルファブリックやスポーツウェアをから着想した、偏光色のパンツなどにも注目。照明の強さに応じて虹色に変化する輝きからは、海岸での開放感に留まらない、フューチャリスティックな精神が感じられる。
シルエットには、海岸特有のカーミーな面持ちを残して。パラシュートのようにふわりと開いたワンピースは風を受けて揺れ、ドリーミーなバルーンスリーブトップスは肌見せ部分とのコントラストで、却ってセンシュアルな表情を高める。またカーゴパンツなど、イザベル マランならではのエスニックなアイテムも、ゆるやかな雰囲気を構成するのに一役買っている。
遊び心をさらに搔き立てるのが、日本の文化と80年代初期のグラフィティを融合させた、自由奔放なプリント。リーフモチーフのパンツや花をあしらったドレスなど、曲線的な柄が印象的だ。また、ジーンズに施されたビジューやスタッズ、刺繍などの装飾も、夏の煌めきを添えている。