マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)の2022年リゾートコレクションは、デザイナーの黒河内真衣子が、自身へのツールへと立ち返り、生まれ育った長野県の豊かな自然をインスピレーションとした。
それを一目で感じさせるのがグリーンを中心とするカラーパレット。繊細な煌めきを讃えるラメ入りのニットカーディガンは、青々とした水面の苔からインスパイアされたもので、春の陽を浴びて煌めくその様子が再現されている。また、グリーンのカラーとリンクするカーキのミリタリースタイルも今季は重要な要素となり、コード刺繍のディテールが施されたブルゾンや、ウエスト位置の高いモッズコートは、少しのエレガンスを香らせてる。
空の色とともに色を変え、風に揺らめき葉や花弁が舞い落ちる水面の情景を彷彿とさせる、マーブル模様は、黒河内の表現らしく抽象的かつ幻想的に。ピンクやグリーン、ブルーが混ざり合う複雑な色味が、豊かな自然の風景へのオマージュとなる。
マメ クロゴウチらしい、身体のラインに沿うエレガントなシルエットがある一方、今季は柔らかに風をはらむシルエットも多い。無数のタックが施されたブラウスやスカートは、風になびく木々の葉や雑草の緑のように自由な動きを見せ、自然の中で見る一瞬の美しさを投影する。
さらには、スポーティーも垣間見え、女性らしい滑らかなラインのドレスをジャージー素材を用い、パンツはタイトなパターンでジャケットやブルゾンとレイヤードして表現。その軽やかでアクティブなワードローブに、春の到来を感じざるを得ない。