展覧会「ボテロ展 ふくよかな魔法」が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて、2022年4月29日(金・祝)から7月3日(日)まで開催される。その後、名古屋、京都にも巡回する。
「ボテロ展 ふくよかな魔法」は、南米コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロの生誕90年を記念した大規模な展覧会。日本国内での展覧会開催は26年ぶりとなる。
フェルナンド・ボテロは、1950年代後半から欧米で高く評価されてきた、現代を代表するアーティストの1人。ボテロは、人物や動物をはじめ、果物、楽器、日用品にいたるまで、多彩なモチーフを“ふくよか”に描くのが特徴。モチーフを膨張させ、ボリューム感を持たせてデフォルメするボテロならではの表現には、官能やユーモア、アイロニーなどの複雑な意味合いが込められている。
ボテロのボリュームへの関心は、自身が17歳の頃に描いた作品《泣く女》において既に作品に表れており、その後にヨーロッパやイタリアで学んだ経験がボリューム感や官能性、デフォルメ表現といったボテロの特徴的な画風を確固たるものにした。
会場には、ボテロ本人監修のもと、貴重な初期作品から近年の作品まで、油彩画、水彩画、素描など70点が集結。ラテン・アメリカの人びとの日常や信仰、サーカスなどを題材にした作品から、ボテロの名を一躍有名にした、古典の名画が題材の作品まで、多彩な作品を紹介する。出展作品のほとんどが日本初公開となり、ボテロの画業を一挙に辿ることができる。
注目の展示作品は、世界初公開となる2020年制作の《モナ・リザの横顔》。ボテロが注目されるきっかけともなった「モナ・リザ」は、ボテロが描き続けているテーマの1つであり、現在進行形で表現の探求を続けるボテロの気迫が感じられる作品だ。
その他にもボテロは、ディエゴ・ベラスケス、ピエロ・デラ・フランチェスカ、ヤン・ファン・エイク、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルなど、美術史上の主要な芸術家たちへのオマージュを捧げている。《マリー・アントワネット(ヴィジェ・ル・ブランにならって)》や《アルノルフィーニ夫妻(ファン・エイクにならって)》など、過去の巨匠たちの名作をもとにした一連の作品では、ボテロ独自の表現を用いることで、他の芸術家たちが生み出した作品を全く異なるものへと変容させているのが見て取れる。
Bunkamura ザ・ミュージアムに併設するBunkamura ル・シネマをはじめとする全国にて、ボテロのドキュメンタリー映画『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』が、2022年4月29日(金・祝)より公開。世界各国で撮影されたオリジナル映像とアーカイブ映像を織り交ぜつつ、ボテロ本人や家族、歴史家、キュレーター、学者などの証言とともに、ボテロ自身の人生と、作品の独創性に迫るアートドキュメンタリーとなっている。
【詳細】
ボテロ展 ふくよかな魔法 BOTERO―MAGIC IN FULL FORM
会期:2022年4月29日(金・祝)~7月3日(日) ※休館日未定
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷・東急百貨店本店横)
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
※状況により、会期・入場方法等が変更となる場合あり。
■巡回展
・名古屋展
会期:2022年7月16日(土)~9月25日(日)
会場:名古屋市美術館(愛知県名古屋市中区栄2-17-25)
・京都展
会期:2022年10月8日(土)~12月11日(日)
会場:京都市京セラ美術館(京都府京都市左京区岡崎円勝寺124)
※会期等は変更となる場合あり。
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)