2013年9月26日(木)、アン ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)が2014年春夏コレクションをパリファッションウィークにて発表した。
なんといっても特徴的なのは、アールヌーボー風の花柄。ストライプとの組み合わせは、先立って発表されたメンズの春夏コレクションでも見られた表現。それをレディースでは、一層フェッティッシュに仕上げている。花々をシースルーの生地に乗せれば、まるで肌から直接咲き誇っているかのよう。程よく匂い立つ色香とエッジの効かせ方の絶妙なバランスが女性たちの心を捉えそうだ。コーラルベージュやルージュといったカラーでも、女性が美しく見えるものが採用されている。
トップスは、ドレープを駆使して立体感を作りあげる。豊かなヴァリエーションで提案されたアウター類は、特にルージュのフラワーに覆われたダブルブレストのロングコートと、ベージュのベストが美しく、共に襟がアシンメトリーであることにも注目したい。そして、時よりトップスやジャケットの裾より棚引く細長いひもが、服の美しさの余韻を背後に残していった。
アンドゥムルメステールらしい、ドラマチックな幅広帽は今季、一つとして同じ形はないのではないかと思うほど、布を多様に変形させてモデルに被らせた。生地の持つ武骨な表情と、透け感の幻想的なムードが交差する。ブランドの定番ともいえるショートブーツは、足の指の骨に沿うかのように、放射線状にカッティングが施される。