アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2014年春夏コレクションがパリで発表された。
サラ・バートン産休復帰後の第一弾となるショーは、モンドリアンやピカソをはじめとする、20世紀初期のアートムーブメントからインスパイアされた。大胆な原色やグラフィック柄を、クリーンなカッティングが引き立てる。
前半は鮮やかなレッドをブラックでひきしめたスタイルが中心。存在感のあるゴールドのヘッドピースやいくつものブレスレッドなどがアクセントとして輝く。ブラやトップスにはクロコダイルを用いることで、肌見せも隙のないハードな印象に。
中盤はホワイトでピュアなムードに移り変わる。トリプルレイヤーにボックスプリーツをほどこしたドレスは、立体的なフォルムが現代的な美しさを放つ。細かなプリーツのふんわりとしたチュニックは、胸下切り替えでピュアなイメージを感じる。
後半はブルー、レッド、ホワイトの3色をもちいたグラフィック柄が主役。夏らしいトリコロールも、サラ・バートンの手によりアートピースのような仕上がりに。サラサラと毛長の長いマテリアルを用いた2色のドレスは、モンドリアンの絵画が情熱的に生まれ変わったよう。ラストはボリューム感のあるオーストリッチのフェザーが美しいロングドレスで締めくくる。
全体はアーティスティックでありながらも、バイカージャケットやレギンスなど着こなしやすいアイテムも充実。グラデュエーターサンダルもコーディネートのアクセントになった。ブランドのアイデンティティはそのままに、ゴシック調の雰囲気から新たな展開を見せたショーといえるだろう。