企画展「春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります ─京の絵画と敦賀コレクション」が、東京の府中市美術館にて、2022年3月12日(土)から5月8日(日)まで開催される。
企画展「ふつうの系譜」は、伊藤若冲や曽我蕭白といった「奇想」の絵師に対して、江戸時代における美術史の主流をなす、いわば「ふつう」の絵画に光をあてる展覧会だ。奇想の画家に見られる奇抜で強烈な表現ではなく、「きれいなものづくり」を追求した、狩野派や円山四条派、やまと絵で活躍した土佐派などの絵師の仕事を紹介する。
「やまと絵」とは平安時代に生まれた絵のスタイルであり、柔らかな線と形、そして緑や青といったふくよかな色彩を特徴とする。江戸時代には、土佐派や住吉派などの絵師が貴族の雅びな世界を描いた。一方で「狩野派」は、中世に宋や元からもたらされた中国絵画に由来する水墨画の画法をもとに確立。豪快な作品から端正なものまで、幅広く展開した。さらに「円山四条派」の絵師たちは、西洋画などに触発されて写実的な表現を開拓した円山応挙の画法を受け継いだ。
本展では、土佐派を代表する土佐光起の《伊勢図》、狩野養信《日月岩波図》や狩野雅信《菊花図》など狩野派の絵画、そして円山応挙の《西王母・寿老図》をはじめとする円山四条派の作品などを一挙に紹介。岩絵具特有のきらめきを帯びた絵具の美しさや、墨による幅広い表現の雄弁さにも注目したい。
また、「奇想」と「ふつう」の間にあるような作品から、江戸絵画の「ふつう」について考察。さらに、円山応挙《狗子図》や長沢蘆雪《紅葉狗子図》、岸駒《猛虎図》など、動物を描いた絵画にも着目し、動物絵画における「ふつう」についても光をあてる。
企画展「春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります ─京の絵画と敦賀コレクション」
会期:2022年3月12日(土)〜5月8日(日) 作品の大幅な展示替えを実施
[前期 3月12日(土)~4月10日(日) / 後期 4月12日(火)~5月8日(日)]
会場:府中市美術館 2階 企画展示室
住所:東京都府中市浅間町1-3(都立府中の森公園内)
開館時間:10:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(3月21日(月・祝)、5月2日(月)は開館)、3月22日(火)
観覧料:一般 700円(560円)、高校生・大学生 350円(280円)、小学生・中学生 150円(120円)
※ ( )内は20名以上の団体料金
※未就学児、障害者手帳などの所持者は無料
※上記料金で常設展も観覧可
※府中市内の小中学生は「府中っ子学びのパスポート」の提示で無料
※観覧券の購入時に、2度目の観覧料が半額となる割引券付き(本展1回限り有効)
※2020年に途中閉幕となった展覧会を再度開催
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TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)