企画展「夏と秋の美学 —鈴木其一と伊年印の優品とともに—」が、東京・南青山の根津美術館にて、2024年9月14日(土)から10月20日(日)まで開催される。

美術作品に見る“夏から秋へ”季節の移ろい

企画展「夏と秋の美学 —鈴木其一と伊年印の優品とともに—」は、江戸琳派の絵師・鈴木其一(すずき きいつ)の代表作《夏秋渓流図屏風》(重要文化財)を中心に、初夏から晩秋までを描いた絵画作品を紹介する展覧会だ。

日本では古来、四季のうちで春と秋が好まれてきた。それは、気候の穏やかさばかりでなく、生命が芽吹き、あるいは逆に衰えゆくさまをしみじみと感じさせるからであったといえるだろう。しかし江戸時代の美術においては、夏と秋の組み合わせも見受けられるようになる。

こうした作品の一例が、其一による《夏秋渓流図屏風》である。ヒノキの林を渓流が流れるなか、右隻には白い山百合の咲く夏が、左隻には桜の葉が赤く染まる秋が描かれている。このように、夏と秋を組み合わせた作品の源流は、俵屋宗達の後継者が手がけたとされる《夏秋草図屏風》にあるという。そこには、夏を好ましく思う感性が背景にあったと考えられよう。

本展では、其一と宗達工房の優品を軸に、夏から秋への季節の移ろいを感じられる作品を紹介。其一の《夏秋渓流図屏風》、《夏秋草図屏風》に加えて、晩春から夏にかけての草花を描きだした尾形光琳筆《夏草図屏風》、右幅に公家の女性たちが舟遊びで涼をとる夏の様子を、左隻に貴族の男性が紅葉狩りをする秋の様子を描いた住吉広定筆《舟遊・紅葉狩図》などを目にすることができる。

展覧会概要

企画展「夏と秋の美学 —鈴木其一と伊年印の優品とともに—」
会期：2024年9月14日(土)〜10月20日(日)
会場：根津美術館 展示室1・2
住所：東京都港区南青山6‐5‐1
開館時間：10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日(9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)は開館)、9月17日(火)・24日(火)、10月15日(火)
入館料：一般 1,300円(1,100円)、学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※オンライン日時指定予約制(9月10日(火)より美術館ホームページにて受付。招待はがきなどで入館料無料の場合も要予約)
※( )内は障害者手帳の提示者および同伴者1名の料金
※当日券(一般 1,400円、学生 1,100円)も販売(予約優先。当日券での入館者は待つ場合あり。混雑状況によっては当日券を販売しない場合あり)
※予約は1グループ10名まで

【問い合わせ先】
根津美術館
TEL：03-3400-2536(代表)